インタビュー
» 2010年02月24日 20時06分 UPDATE

Mobile World Congress 2010:真の中立性を保っている点が強み――「Android」「MeeGo」との競争に自信を見せるLiMo (1/2)

NokiaとIntelのMeeGo、Samsungのbadaなど新たなモバイルプラットフォームが登場し、覇権争いが激しさを増しているモバイル市場。Linuxベースのプラットフォームを展開するLiMoは、どこに優位性があり、どのような戦略でシェア拡大を目指すのか。

[末岡洋子,ITmedia]
Photo LiMo Foundationのグローバルマーケティング担当ディレクターを務めるアンドリュー・シキアー氏

 モバイルプラットフォームの覇権争いは激しさを増す一方だ。これまではSymbian、Windows Mobile、それらに対抗するLinuxベースのLiMoが市場を分け合っていたが、米AppleのiPhone投入でスマートフォン市場が一気に拡大。プレイヤーが入り乱れての競争状態となっている。

 こうした中、LiMoを取り巻く環境も厳しくなっている。オープンソースでは米GoogleのAndroidが台頭し始めたのに加え、SymbianがSymbian^3の全コードについてオープンソース化を完了。Mobile World Congress 2010の期間中にはNokiaとIntelがMeeGoを発表し、世界で約2割の端末販売シェアを持つ韓国Samsungも独自プラットフォームのBadaをプッシュし始めたからだ。

 2月にスペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congress 2010で、LiMoを推進する非営利団体LiMo Foundationのグローバルマーケティング担当ディレクター、アンドリュー・シキアー(Andrew Shikiar)氏にLiMoの現状と今後の戦略について聞いた。

通信オペレーターが独自性のある端末を開発できるのが、LiMoの魅力

ITmedia(聞き手:末岡洋子) この1年のLiMo Foundationの活動やプラットフォーム開発の進展について教えてください。

アンドリュー・シキアー氏(以下、シキアー氏) プラットフォームの開発、受け入れ、参加企業の3つの点で前進しました。プラットフォームではR2を完成させ、2月15日には最新版R3も発表しました。

 2009年2月からの1年間、LiMoベースの端末は、NECやパナソニック モバイルコミュニケーションズのものを含め20機種以上が発表されました。R2ベースの端末としては、SamsungのVodafone 360に対応した「Vodafone 360 H1」があります。

sa_limo01.jpgPhoto SamsungのLiMo端末「Vodafone 360 H1」(写真=左)。右はアプリケーション画面(写真=右)

sa_limo03.jpgPhoto Vodafone 360 H1はFlashをサポート(写真=左)。Webブラウザは「Opera 9.6」を採用している(写真=右)

 LiMoの魅力は、通信オペレーターが包括的で独自性のある端末を開発できることであり、SamsungのVodafone端末はこれを実証しています。Vodafone 360はVodafoneが「Vodafone Live!」をアップグレードした最新のモバイル/Webサービスで、電子メールやSMSなどのメッセージングと「Facebook」「Yahoo!」などのサードパーティのサービスを統合し、1カ所で管理できるというものです。

 Vodafoneのほかにも、Orange、Verizon、Telefonicaなどの通信オペレータが2010年、LiMo端末を発表すると述べています。

 現在、LiMoのアクティブメンバーは約50社を数え、2月15日には新たに4社が加わりました。中でもAdobe Systemsの参加は大きな意味を持ちます。Adobeの参加によってFlash技術がLiMoに入り、FlashとLiMoが組み合わさることで、Adobeの開発ツール「Creative Suite」を利用する開発者はターゲットが広がります。同じく新たに参加したイスラエルの端末メーカーELSEは、ACCESSをベースとした魅力的なUIなどを特徴とするベンダーです。

 このように参加企業が増えることは、プラットフォームの強化につながります。LiMo技術の商用化は着実に進んでおり、業界の関わりの深さを感じます。

 日本企業についていうなら、日本はモバイル分野でさまざまな革新が起こっている市場です。LiMoの創業メンバーであるNTTドコモのビジョンやリーダーシップは、LiMoに大きな価値をもたらしています。例えばiモードのように、通信キャリアがカスタマイズしたサービスを提供して独自の優れた価値と経験を顧客に提供する――という考え方は、Vodafone 360などに影響しています。

ITmedia 「R3」について教えてください。

シキアー氏 R3は参加企業の貢献を多数含んだプラットフォームで、位置情報サービスのサポートや高度なセキュリティなどが特徴となります。メディアやSNS機能も強化された高度なプラットフォームに仕上がっています。

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