「当グループは、福井県内では売上トップ。北陸地域では3番手くらいに位置しています。それだけに、注目も集まりますから、事故には気 をつけたい。接触など、どんな小さなものもなくしたいですね」。こう語るのは株式会社ホクトラ石川の代表であり、北陸トラック運送株式会社 専務取締役輸送統括本部長の河端昇さま。
北陸トラック運送さまは、1972年(昭和47年)に設立されました。福井県に本社を構え、当時は米の輸送で全国に名を馳せたといいます。 高度経済成長の波に乗り会社は成長し、営業地盤も北陸3県を越え、愛知県や京都府にまで拡大しています。
「経営者を10人作りたい」という創業者(現会長)の思いと戦略的な観点から、営業所として展開していた複数の支店を分社化。今や、グルー プ全体で約330台の車両を保有し、売上高は同約60億円に達しています。ホクトラ石川さまもグループの1社であり、車両42台を保有し、 売上高は親会社に次ぐ規模です。
米や建築資材の外壁など様々な荷物を預かるホクトラ石川さまですが、現在の主流は日本郵便輸送株式会社さまから依託されている郵便物 の運送。これを支えている屋台骨が、同社の強みでもある輸送力です。「この部分を一番大事にしている」と河端さま。実際、中堅規模なが ら北海道函館から鹿児島までを自車便で対応できるネットワークを構築し、協力会社と連携して全国をカバーしています。
しかし、ホクトラ石川さまが理想とする輸送力とは単に大量の積荷を迅速に遠くへ運べるということではありません。冒頭の言葉にもある通り、 「"安全"とセットでなければなりません」と河端さま。それを効果的に実現できる仕組みを模索されていました。
何よりも安全を重視するホクトラ石川さまでは、早い時期にデジタルタコグラフを親会社やグループ含めて全車両に搭載。次に実現した仕組みが、ソフトバンクモバイルのスマートフォンとパイ・アール社のアプリケーションソフトを組み合わせたアルコール検出システム(アルコールチェッカー)とドライブレコーダーです。
アルコールチェッカー(写真参照)は、検出値とカメラ機能で撮影した計測中のドライバーの映像がセットで事務所のパソコンへ送信される仕組み。基本的に長距離の運送担当者に携帯させ、出発前とお客さま先への入門前、復路の出発前、帰社時の計4回の計測を義務づけています。
2011年4月施行の「点呼時のアルコールチェッカー使用の義務付け」(国土交通省管轄)規制を受け、アルコールチェッカーを導入する運送業者も多い中、ホクトラ石川さまでは実効性を強く意識されています。
「どのようなシステムを導入しても、運用精度を高めて確実に管理できなければ意味がありません」と言いきる河端さま。「アルコールが検出された場合に、それがすぐに分かるような仕組み、例えばアラートが責任者の携帯電話に送信されるような機能がほしいですね。万が一、アルコールが検出されたドライバーが出発してしまい、事故を起こされては困ります。それを阻止できる仕組みがないと、ただ設置しているだけになってしまいますから」。
現状のシステムでは、チェッカーを使ったドライバーや時間、検出値などを確認するには個々のログをチェックしていく必要があるといいます。 「アラートの件も含め、ログ管理をドライバー個人ごとに自動管理できるような仕組みにしたい。当社では事務の担当者が1人で管理しているので、その負担も減らしたいですね」と河端さまは要望されています。
「ドライブレコーダーも含め、システムと運用面ともに試行錯誤中です。ソフト会社さんやソフトバンクさんには細かい注文も伝えていますが、一生懸命に対応してくれているので、これから思い通りの仕組みになってくれればと期待しています」(同前)。
ホクトラ石川さまが、スマートフォンをベースとしたアルコールチェッカーを選んだ理由は、アプリケーションソフトを組み込めば、ドライブレコーダーとしても使えること。「本来は、スマートフォンではなく大手メーカーのアルコール検出専用のツールを導入しようと考えていました」(河端さま)。
それでも、スマートフォンをベースとした仕組みを選択した背景には前述のドライブレコーダーを含め、その拡張性に期待されているためです。
「GPS によりトラックの位置情報を把握した効率的な配車や、デジタルタコグラフによる運行ログ管理、アルコール検出、万一の場合のドライブレコーダーの映像管理などのログをデジタル管理して、最後は日報作成まで自動処理できるようなシステムを構築したいと思っています」と河端さま。「将来的には、ぜひ実現したいと考えていますが、グループ全体で取り組もうとすると莫大な投資が必要となり、とても330台すべてを管理できるようなシステムは無理です。そこで、アルコールチェッカーをはじめ様々なシステムを各グループ会社で個別に検討して導入しようという話になりました」とのこと。
こうした流れの中で、ホクトラ石川さまで注目されたのがスマートフォンというわけです。「ソフト次第で多彩なツールとして活用できるスマートフォンと、ソフトバンクさんの通信回線がデジタルタコグラフなどとつながり、しかも低コストで思い描く通りのシステムが具現化できたらいいですね」(同前)。
ロジスティクスの基幹要素として絶対に無くなることはない貨物自動車運送事業。しかし、「ムダを省いていかないと生き残れませんし、ますますスピードも要求されます」と河端さま。「輸送力を強化しながら、安全も確保していかねばなりません。ソフトバンクさんには、ぜひそれをサポートしていただきたいと思っています」。
CORPORATE PROFILE | |
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会社名 | 株式会社ホクトラ石川 http://hokutora.co.jp/(北陸トラック運送) |
所在地 | 石川県白山市相川新町736番地 |
従業員数 | 47名 |
概要 | 北陸トラック運送の100%子会社。グループの一員として、石川を中心に幅広いエリアで運送を手がけています。 |
※記載内容は2011年2月現在のものです。
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