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» 2012年12月21日 19時33分 UPDATE

ユーザーへのリーチはますます困難に:人気アプリの独占状態続く――海外調査でひもとくスマホアプリ事情

スマートフォンユーザーの増加に伴い、活況を呈した2012年のモバイルアプリ市場。アプリストアの双壁をなすApp StoreとGoogle Playの動向から、2012年の市場の傾向と課題をまとめた。

[末岡洋子,ITmedia]

 2012年も順調に市場を拡大したモバイルアプリ市場。モバイルアプリの分析を手がけるDistimo、モバイルエコシステムの調査を手がけるVisionMobileが発表したモバイルアプリに関する2つの報告書から、2012年の傾向と課題をまとめた。

 アプリストアの双壁をなすApple(App Store)とGoogle(Google Play)を比較したDistimoは、成長という点ではGoogle Playに軍配をあげた。同社が調査した20市場(米国、日本などを含む)における2012年8月から11月の1日平均売上高は、Google Playが43%増で成長し、App Storeの21%増を上回った。

 なお、2012年1月から11月まででは、App Storeの伸び率は51%となる。これは、この期間に71%増となったiPad向けアプリが、同40%増のiPhoneを補完した形となる(Google Playは2012年8月からしかデータがないため、1月から11月の伸び率は出ていない)。

Photo App StoreとGoogle Playの1日当たりの売上の成長率

 金額ベースでみると、両アプリストアの間には大きな開きがあることが分かる。11月の1日あたりの売上を比較すると、Google Playは350万ドルで、これはApp Storeの1500万ドルの4分の1以下となる。カテゴリー別では、ゲームがダウンロード数と売上の両方で最多となり、次いでウィジェット、エンターテインメント、ソーシャルの順となった。

 一部の人気アプリが売上の多くを占有する状態が続いているのも特徴で、11月時点で売上全体の10%に占める上位アプリの数はiPadが6件、iPhoneは7件、Google Playは4件となった。これは1月のiPadアプリ8件、iPhoneアプリ11件(Google Playはデータなし)から減少しており、寡占傾向が強くなっていることがうかがえる。

Photo 売上・ダウンロード数全体の10%に占める上位アプリの数

 一方で、アプリストアのダウンロード総計の10%に占めるアプリの数は、iPadが31アプリ、iPhoneが31アプリ、Google Playは22アプリ(すべて11月時点)となり、iPadとiPhoneは1月よりも増えている。

 各アプリストアのダウンロード件数トップ10は、App StoreがInstagram、Temple Run、Find My iPhone、Facebook、iBooks、Draw Something Free、iTunes U、YouTube、Podcasts、Twitter。Google PlayはStreetView、Facebook、VoiceSearch、Maps、Gmail、YouTube、Adobe Flash Player、Skype、Whatsapp Messenger、KakaoTalkの順。アプリベンダー別ではApp Storeの上位3社はApple、Gameloft、Google、Google Playの上位3社はGoogle、Facebook、Rovioe Mobileとなった。

■App StoreとGoogle Playのアプリダウンロード数トップ10
順位 App Store(iOSアプリ) Google Play(Androidアプリ)
1 Instagram StreetView
2 Temple Run Facebook
3 Find My iPhone VoiceSearch
4 Facebook Maps
5 iBooks Gmail
6 Draw Something Free YouTube
7 iTunes U Adobe Flash Player
8 YouTube Skype
9 Podcasts Whatsapp Messenger
10 Twitter KakaoTalk

■App StoreとGoogle Playのベンダー別アプリダウンロード数トップ10
順位 App Store(iOSアプリ) Google Play(Androidアプリ)
1 Apple Google
2 Gameloft Facebook
3 Google Rovio Mobile

 地域別にみると最大市場は米国で、日本、英国、オーストラリアと続く。日本は全体としてアプリストアの売上が増えており、iPhoneアプリではトップ(138%増)、iPad向けアプリではロシア(143%増)に次ぎ2位(112%増)、Google Playでも2位(60%増、1位は韓国)となっている。

アプリのユーザーへのリーチはさらに困難に

 VisionMobileではアプリの数が増えた結果、開発者はユーザーへのアプリのリーチが、ユーザーはアプリを発見するのが難しくなっている点を改めて指摘した。こうした課題の解決を目指して、AppCircleやChartboostなどのクロスプロモーションネットワークや、レビューネットワークのAppFridayやAppAdvice、ヘルスケア分野に限定したアプリストアHapptiqueなどが生まれている。加えて、以前から存在する独立系アプリストアのGetJarや通信キャリアが展開するアプリストアがあり、開発者にとってアプリの展開はさらに複雑になっているという。

 ユーザーがアプリを見つけやすくするための手段として、WebのSEO(検索エンジン最適化)と同じ構想を持つASO(App Store Optimisation:アプリストアの最適化)などの手法があるが、アプリのプロモーションは多額のコストがかかることもある。VisionMobileではターゲットに合わせて指標を変えるようアドバイスすると同時に、特別なツールを使わず、プロモーション期間を設け、その間はアプリを無料にする方法も有効としている。

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