モバイル決済「Square」のCOO、セクハラ疑惑で辞職

» 2013年01月28日 17時06分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 モバイル決済ベンチャーSquareの最高経営責任者(COO)、キース・ラボワ(Keith Rabois)氏が、1月24日付けでSquareを辞職したことを明らかにした。従業員が主張するセクシャルハラスメント疑惑が訴訟に発展するのを回避するためだとラボワ氏は説明している。

 ラボワ氏は1月25日、ブログでSquareを退社したと報告。原因は、男性従業員によるセクハラ訴訟だ。Squareとラボワ氏は、その前の週にニューヨークの弁護士から連絡を受け、訴訟の可能性を示唆されたという。この弁護士は、この男性とラボワ氏との関係が合意に基づくものではないとし、「かなり恐ろしいことで私を訴えると主張していた」とラボワ氏は記している。

 ラボワ氏によると、この男性とは2010年5月に共通の知人を通じて知り合い、付き合いが深まっていったという。男性がハイテクベンチャー企業に就職するための準備も手伝ったといい、交際がスタートして数カ月後にSquareの就職面接を受けるよう助言したとのことだ。男性は通常の雇用プロセスを経てSquareで職を得ており、雇用の判断にラボワ氏の影響はなかったという。また男性がSquare勤務となった後も、社内では直接やりとりする関係にはなかったと記している。

 ニューヨークの弁護士からは、訴訟を回避する手段は和解金の支払いのみであり、これに応じない場合はラボワ氏のキャリア、名誉、生活が脅威にさらされることになると伝えられたという。

 ラボワ氏は辞職の判断について、Squareに影響を与えないためとし、セクハラの主張については否定している。同時に、「彼がSquareで働きはじめた後も肉体関係を続けたことは、私の未熟な判断だった」としている。今後、自身の身を守るために法律の範囲で弁護する意志も表明している。

 Wall Street Journalが1月25日に報じたところによると、この件はまだ正式に提訴されていないという。

 ラボワ氏はPayPal出身で、Squareには2010年に加わった。同氏の辞職を受け、最高財務責任者(CFO)のサラ・フライアー(Sarah Friar)氏が暫定COOを務める。

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