「かざすと何かが起こる」を当たり前に――スマホ活用の広告プラットフォーム「広告+」

» 2013年02月18日 21時51分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo 広告+の利用イメージ

 ポスターや商品パッケージ、カタログ、CM動画にスマホをかざすと、より詳しい製品情報やクーポンを入手できる――。博報堂プロダクツと博報堂アイ・スタジオが、スマートフォンを利用した広告プラットフォーム「広告+」(コウコクプラス)の提供を開始した。

 広告+は、専用アプリをインストールしたスマートフォンのカメラを起動し、ポスターやパッケージにかざすと、より詳細な情報やクーポンなどの特典を得られるサービス。カメラをかざすと、アプリ側でその画像にしかない特徴点を検出してサーバ側に送信し、サーバ側データベース内の特徴点とマッチすると詳細情報や各種特典のURLに飛ばす仕組みだ。広告+は動画にも対応しており、テレビCMやデジタルサイネージの映像にカメラをかざして情報を取得することも可能だ。

 同様の仕組みとして、すでにQRコードが普及しているが、広告+は画像をカメラで認識する手法を採用していることから、QRコードを生成する手間がかからず、ポスターの見栄えも損なわない点がメリットになるという。

 また、画像認識技術として、画像そのものをサーバに送るのではなく、画像の特徴点データのみを送信して照合するNECの技術「GAZIRU」を採用していることから、素早い認証が可能な点も特徴の1つだ。

Photo 洗濯機のカタログにスマホをかざすと、特徴を紹介するビデオが流れる。日立アプライアンスの事例

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Photo 画像認識技術はNECの「GAZIRU」を採用。サーバ側の認証が済むと、メニュー画面が表示される。メニュー選択はボタンを押すだけでなく、さまざまなアクションで選べるようにするなど、エンターテインメント性を持たせている

大手企業が採用、今後はGPS連動機能も

 博報堂グループは、2月18日からこのソリューションの提供を開始。当初はiOSのみの対応で、年内をめどにAndroid版も提供する計画だ。プラットフォームの利用料金は初期費用が50万円、月額利用料40万円。すでに味の素、カルビー、花王、サントリー酒類、ダイハツ工業、東京地下鉄、日立アプライアンス、ローソンでの採用が決まっているという。

 今後は、スマートフォンの位置情報を利用して、エリアに最適化した情報配信や、エリア限定製品の紹介などでも使えるようにする考え。また、時間や場所に応じて異なる広告を配信するような試みも検討している。

 この種の広告は、対応商品が増えないとなかなか継続して使ってもらえないという課題もある。博報堂プロダクツと博報堂アイ・スタジオは今後、対応広告を増やすことに注力するとし、「広告にスマホをかざすと何かが起こるのが当たり前の時代にしたい」(同社担当者)と意気込んだ。

photo 広告+

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