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» 2012年11月21日 09時00分 UPDATE

電気自動車:走行距離の記録更新、日産自動車が電気自動車「リーフ」の新型を発売

日産自動車が電気自動車「リーフ」の新型を発売した。特長は1回の充電で走行できる距離が28km伸びた点。ブレーキの改良、車両の軽量化などといった改良を加えて達成した。

[笹田仁,スマートジャパン]

 今回販売が始まる新型リーフ(図1)は、外装や基本的な設計を大きく変えず、細かい工夫で性能を伸ばしてきた、いわばマイナーチェンジモデルだ。最大の特徴は1回の充電で走行できる距離を伸ばし、国産の電気自動車(EV)としては最長記録を達成した点にある。

Nissan_Leaf_201211_1.jpg 図1 日産自動車の電気自動車「リーフ」

 新型リーフの電費性能を示す指標である「交流電力量消費率(1km走行したときに消費する電力量)」と「一充電走行距離(1回の充電で走行できる距離)」はそれぞれ114Wh/kmと228km。前世代のリーフはそれぞれ124Wh/kmと200km。新型も前世代も、蓄電池の蓄電容量は24kWhと変わっていない。新型では電力を効率良く使い、より長い距離を走れるように改良したことが分かる(図2)。

Nissan_Leaf_201211_2.jpg 図2 他メーカーの電気自動車と新型リーフの主な仕様を比較した表

 電費性能改善のために改良した点は主に3つ。1つ目は車重の軽量化。モーターやインバーター、DC/DCコンバーターといった駆動部分とそれに電力を供給する部分を一体化し、重量を10%軽量化した。容積は30%節約できたという。ほかにも、充電池の構造を見直し、ほかのパーツも軽量化した。その結果、合計で車両重量をおよそ80kg下げることに成功した。

 2つ目はエアコンの改良。前世代のリーフはエアコンが大きな電力を消費してしまい、電費性能を大きく損なうことがあったという。新型リーフでは一般的な建物で利用するエアコンと同様、ヒートポンプで熱を運ぶ方式に変更した。さらに、天井に遮熱素材を設置し、夏は熱を車内に通さず、冬は熱を車外に逃さない構造にした。これで消費電力の低減を期待できる。

 3つ目はブレーキの改良だ。EVやハイブリッド自動車(HV)は、ブレーキに「回生ブレーキ」を搭載している。回生ブレーキとは、人間がブレーキをかけたときに、減速しながら車輪が慣性で回転する力を利用して、モーターを回転させて発電するブレーキだ。新型リーフでは回生ブレーキで発電できる電力量を増やし、停止寸前まで発電できるようにした。

 新型リーフの価格は最上位の「G」グレードが413万3850円。中間グレードとなる「X」グレードが375万7950円。今回の新型で新たに登場した廉価グレードの「S」グレードが334万9500円。

 日産自動車は今回の新型リーフの発売に合わせて、EV用急速充電器の設置を進めることも明らかにした。現在は日産自動車の販売店400店舗に急速充電器が設置してあるが、これを2012年度末までに700店舗にまで広げるとしている。これで、国内の日産自動車の販売店のうち、1/3以上の店舗に急速充電器が行き届くことになる。

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