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» 2012年12月27日 15時00分 UPDATE

2012電力トレンドまとめ読み(6):風力発電:日本に適した自然エネルギー、大規模な計画が続々と始まる

太陽光に続いて有望視される風力発電を大規模に展開するプロジェクトが、2012年の後半に入って相次いで発表された。島国の日本では丘陵や海岸に風の強い地域が多く、風力発電所を建設するのに適している。陸地から離れた洋上に風力発電設備を建設する試みも本格化してきた。

[スマートジャパン]

 日本では最近まで、大規模な風力発電所を建設する動きは限定的だった。風車が発する騒音や生物に対する影響などから、地元の理解を得るのが難しいためである。とはいえ風力発電には太陽光発電よりも優れた点がある。夜間でも風が吹けば発電が可能で、電力を安定して作り出す能力は太陽光を上回る。

 ようやく7月に固定価格買取制度がスタートしたことによって、全国で新たな風力発電所の建設計画が活発になってきた。陸上より強い風が吹く洋上の風力発電プロジェクトも各地で始まっている。再生可能エネルギーの拡大が不可欠な我が国にとって、風力発電に対する期待度は高い。

2012年の「風力発電」:スマートジャパン関連記事

太陽光+風力+LED、JR海浜幕張駅が電力を自給自足へ(8月15日掲載)

JR東日本が電力を自給自足できる駅として展開する「エコステ」の第3弾として、京葉線の海浜幕張駅のリニューアルが決まった。駅の外壁などに太陽光パネルや風力発電機を設置するほか、コンコース内にLED照明や高効率空調機を導入して、発電と節電の両面を強化する。


風力発電を2020年に7倍の規模へ、山形県が事業者を募集開始(8月21日掲載)

国の2030年に向けたエネルギー戦略が話題になる中、山形県が再生可能エネルギーの積極的な開発計画を進めている。特に力を入れているのが風力発電で、2020年に発電量を現在の7倍へ拡大させる計画だ。その一環で酒田港の港湾区域で風力発電事業者の募集を開始した。


世界最大級250MWの洋上風力発電所、茨城・鹿島港沖に50基の風車を建設(8月29日掲載)

まだ日本では少ない洋上風力発電所の大規模な建設計画が決まった。茨城県が鹿島港沖で進めるプロジェクトで、50基の大型風車を使って250MWの発電を可能にする。5年後の2017年から順次運転を開始する予定で、フル稼働すれば茨城県内の16%の家庭で使用する電力を供給できる。


洋上風力発電を7社が事業化へ、10年後に数百MWの発電所を建設(9月6日掲載)

東芝や日本気象協会など7社が共同で、洋上風力発電の事業化を大規模に展開するプロジェクトに乗り出した。現時点で建設しやすい「着床式」に加えて、今後の拡大が期待される「浮体式」の開発と実験も進める。2012年度中に有力地域を選定して、風力などの観測を開始する予定だ。


北海道にも28MWの風力発電所、加速するJ-POWERの建設計画(9月28日掲載)

先ごろ愛媛に20MWの風力発電所を建設すると発表したばかりのJ-POWERが、北海道にも28MWの大規模な風力発電所を建設する。運転開始は1年半後の2014年3月と早い。J-POWERの風力発電所は全国で20か所になり、発電規模は400MWを超える。


200MWまでの風力発電を連係、北海道から東京へ送電可能に(10月1日掲載)

広大な土地を有する北海道で風力発電所の建設計画が相次いでいる。ただし風力による発電量は大きく変動するため、電力会社の送配電ネットワークで許容できなくなる可能性がある。北海道電力は東京電力と共同で、風力の余剰電力を北海道から東京へ送電する実証実験を開始する。


国内で最大規模の洋上風力発電所、2016年春に稼働開始(10月15日掲載)

国内でも数カ所で洋上風力発電所の計画が持ち上がっているが、どの計画も稼働開始まで長い時間がかかることになっている。前田建設工業は2016年春に稼働開始することを目指して、大規模な洋上風力発電所を建設する。


蓄電池を併設した風力発電所、25MWで2017年に運転開始へ(10月16日掲載)

地域の再生可能エネルギーを拡大するために、自治体みずからが大規模な風力発電所の建設に乗り出す。岩手県は風速による変動を蓄電池で緩和する新しい風力発電所を2017年に稼働させる計画だ。115億円をかけた大型プロジェクトで、近く東北電力との間で電力受給の仮契約を締結する。


太陽光・風力・燃料電池など、エネルギー技術を結集した新工場(10月16日掲載)

日清紡グループが繊維や化学製品を生産する徳島県の工場をスマートファクトリに改良した。太陽光と風力による発電システムを設置したほか、燃料電池や蓄電池も導入して、工場内に新しい電力供給とエネルギー管理の体制を構築した。敷地内で1.75MWのメガソーラーも建設する予定だ。


日本でも洋上風力発電は実力を発揮できるか、実証研究が始まる(10月26日掲載)

千葉県銚子市沖に日本最大の洋上風力発電設備が完成した。同じ規模の設備が今年度中に福岡県北九州市沖にも完成する予定だ。ヨーロッパではかなりの実績を残しているが、日本で実用化までこぎつけるには、まだ調査しなければならないことが多いようだ。


30億円を投じても元は取れる、風力発電所2カ所を買収(11月7日掲載)

大阪ガスの100%子会社で、再生可能エネルギーによる発電事業を手掛けるガスアンドパワーは、日本風力発電が保有している風力発電所2件を買収する。大阪ガスはおよそ30億円の費用がかかると見積もっているが、売電収入で十分採算は取れると判断した。


巨大メガソーラーに風力を併設、2014年稼働開始に向けて着工(11月8日掲載)

三井化学など7社が共同で企画していた大規模太陽光発電所の建設工事が始まった。場所は愛知県田原市。太陽光発電システムだけでなく、風力発電機も設置するところが大きな特長だ。


目標は5年間で合計500MW、洋上風力発電で2社が協業を検討(11月16日掲載)

新日鉄住金エンジニアリングと鹿島建設は、洋上風力発電施設の建設で協業することを検討している。洋上風力発電機の基礎部分の設計施工ノウハウを持つ新日鉄住金エンジニアリングと、風力発電所の設計施工などで実績を持つ鹿島建設がお互いの長所を生かす組み合わせだ。


風力発電所の建設に立ちはだかる、「環境影響評価」の壁(12月7日掲載)

全国各地で大規模な風力発電所の建設計画が進められているが、実際に建設を開始するまでには相当な準備期間を要する。最大の難関は「環境影響評価」だ。騒音や動植物への影響などを詳細に分析して国や自治体に報告書を提出し、3段階の審査を経たうえで認可を受けなくてはならない。


風力発電計画が暗転、法的制限や地権者の意向が壁に(12月13日掲載)

神奈川県は県内の京浜臨海部と三浦半島地域で実施していた「風力発電施設立地可能性調査」の結果を明らかにした。風況が良い9カ所を対象に調査したが、法的制限や地権者の意向などが影響し、9カ所すべてで風力発電設備の建設ができないという結果になった。


難工事が前倒しで完了、出力12MWの風力発電所が稼働開始(12月26日掲載)

関西電力のグループ会社で、再生可能エネルギーによる発電事業を手掛ける関電エネルギー開発は、兵庫県淡路市に建設していた風力発電所「淡路風力発電所」の工事が予定よりも早く完了し、営業運転を始めたと発表した。


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