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» 2012年12月27日 17時00分 UPDATE

2012電力トレンドまとめ読み(7):バイオマス:廃棄物をエネルギーへ、資源のエコシステムが広がる

固定価格買取制度が始まったことを受けてバイオマスの取り組みも活発になってきた。家庭のゴミや未利用の木材・農作物など、これまで使わずに捨てられてきた多くの資源が電力や熱に生まれ変わる。農業や林業の多角化につながる期待もあり、さまざまなプロジェクトが全国で進んでいる。

[スマートジャパン]

 生物に由来する原材料をエネルギーに変えて利用する方法が、バイオマス発電やバイオマス熱である。このうちバイオマス発電が固定価格買取制度の対象に入ったことで、全国の自治体を中心に新しいプロジェクトが始まっている。

 バイオマス発電は太陽光や風力のように天候に左右されずに安定した電力を供給できることが最大の利点だ。家庭から出るゴミや用途のない木材でも、効率よく燃焼させて発電することができる。自治体によるゴミ発電をはじめ、林業を中心とした木質バイオマス発電など、幅広い分野の取り組みが注目を集めるようになってきた。

2012年の「バイオマス」:スマートジャパン関連記事

バイオマスで政府が拡大戦略、廃棄物をエネルギーに変換する技術開発を加速(9月12日掲載)

再生可能エネルギーのひとつであるバイオマスの利用拡大に向けて、農林水産省など7つの省庁が連携して「バイオマス事業化戦略」を策定した。2020年度にバイオマス関連産業を5000億円の規模に拡大することを目標に、各種の廃棄物をエネルギーに変換するための技術開発を加速させる。


木質バイオマスで、発電時の熱を塩の製造に利用(10月4日掲載)

兵庫県赤穂市の製塩工場が自家発電設備の入れ替えに合わせて、木質バイオマス発電設備を導入する。発電した電力を全量電力会社に売電して収入を得る一方で、発電時に発生する熱を塩の製造に活用する。


使用済み食用油で電力を、外食企業が運用開始(10月11日掲載)

外食チェーン店などを経営するプレナスは、店舗から回収した使用済み食用油を改質し、バイオマス燃料の一種「バイオディーゼル燃料」として発電などに利用する。


バイオマスで全国1位、風力と地熱も増やして自給率100%へ(10月16日掲載)

米どころの秋田は稲わらや木材を使ったバイオマス燃料の開発に積極的で、バイオマス熱の供給量は全国でナンバーワンだ。さらに風力と地熱の大規模な発電所が複数あり、新たな建設計画も着々と進んでいる。2030年には県内のエネルギー自給率を100%にする目標を掲げる。


バイオマスを徹底活用、畜産資源から生ごみ・排水まで(11月1日掲載)

隣の栃木県と同様に群馬県でも小水力発電が盛んだが、近年になって特に力を入れて取り組んでいるのがバイオマスである。豊富にある畜産資源などを活用したバイオマス発電は全国でも先進的で、2021年までの10年計画を通じて用途を拡大しながら発電量を増加させる計画だ。


「ごみ発電」で初めて、固定価格買取制度の認定設備が決まる(11月2日掲載)

原材料によって5種類に区分されるバイオマス発電のうち、廃棄物(ごみ)を利用した設備で初めて固定価格買取制度の認定が下りた。三重県企業庁が運営する「三重ごみ固形燃料発電所」で、年間に約3800万kWhの電力を12円程度の単価で中部電力に売却する。


「廃棄物発電」で巨大都市をスーパーエコタウンに(11月13日掲載)

人口1300万人を抱える東京都では、膨大な量の廃棄物が毎日排出されている。深刻な環境問題だが、見方を変えれば発電に使えるバイオマス資源が豊富に存在する。実際に東京都で年間に作られる再生可能エネルギーの約半分は「廃棄物発電」によるもので、水力や太陽光を大きく上回る。


狙いは売電収入とエネルギーの自前調達、メガソーラーにバイオ燃料精製所を併設(11月21日掲載)

滋賀県の総合物流企業である甲西陸運は、滋賀県湖南市の工業団地内にメガソーラーを建設することを明らかにした。さらにバイオ・ディーゼル燃料精製施設も建設する。生成した燃料は自社で利用のトラックやフォークリフトの燃料とする予定。


木質バイオマス供給協議を打ち切り、使用量低迷で効果得られず(12月3日掲載)

三重県は県産の木質バイオマス(木質チップ)を石炭火力発電所に供給することを目指して中部電力と協議を続けてきたが、打ち切ることを明らかにした。


ごみ焼却時の熱で発電、試運転が始まる(12月4日掲載)

東京都調布市は三鷹市と共同で運営する「ふじみ衛生組合」の敷地内に新しいごみ焼却施設を建設した。この施設には、ごみ焼却時の熱を利用して発電する設備がついており、その最大出力は9.7MW(9700kW)に上る。


バイオマス発電の認定設備が1か月で6倍以上に、太陽光発電も1.5倍に拡大(12月17日掲載)

固定価格買取制度の認定設備の規模がさらに拡大を続けている。わずか1か月間で太陽光発電が1.5倍、バイオマス発電が6.7倍に増加した。太陽光では「非住宅」の伸びが著しく、発電能力を合計すると250万kWを超えた。バイオマスは一挙に11件が認定を受けた。


木質バイオマスで先行、風力や太陽光も大規模に進む(12月20日掲載)

観光地の伊勢志摩で有名な三重県は海のイメージが強いが、実は県の3分の2を森林が占めていて林業が盛んだ。木材によるバイオマス発電や熱利用は全国でもトップレベル。さらに紀伊半島の気候を生かした風力発電や太陽光発電の大規模プロジェクトが広がってきた。


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