小田急電鉄は電車がブレーキをかけた際に発生する「回生電力」を、走行時の電力として再利用できる蓄電システムを導入。停電などの非常時には、電車を最寄り駅まで走行させるための非常用電源としても機能する。
小田急電鉄は東京都渋谷区の「上原変電所」に、電車が減速するときに生まれるエネルギーを再利用できる「回生電力貯蔵システム」を導入した。2018年5月19日から運用を開始しており、電車の運行に使うエネルギー量の削減を図る狙い。
回生電力は、電車がブレーキをかける時にモーターが発電機として動作することで発生する電力のこと。今回導入したシステムは、回生電力と一時的に蓄電池に貯蔵し、電車の走行や加速に必要な電力として再利用できる。蓄電池は日立製作所製で、容量182.7kWh(キロワット時)。
回生電力貯蔵システムは、非常時の電力供給源としての役割も果たす。停電時には、駅と駅の間に停車した列車に対し、最寄り駅まで走行する分の電力を供給できる。小田急電鉄は代々木上原駅〜梅ヶ丘駅間の路線を地下で複線化するプロジェクトを進めてきた。回生電力貯蔵システムは、大規模な停電時などに、地下区間で列車が停車した場合の活用を想定しており、今後機能の検証を進めていく方針だ。
なお、今回の回生電力貯蔵システムの導入については、環境省と国土交通省が管轄する「エコレールラインプロジェクト事業」の一環として補助金を受けた。
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