あなたは上司の不正を発見しました。上司を尊敬するあなたとしては信じたくない状況です――。「創造的な選択」をはばむ最大の障害は、あいまいな状況に身を置き続けることを不快に感じてしまうという、人間の心理的な傾向です。あなたはどのような選択をするのでしょうか。
問題を「イエスかノーか」に絞り込んでしまってませんか?――。新連載「クリエイティブ・チョイス」は、選択肢以外の「第三の解」を創り出し、仕事や人生の選択において、満足度を高めることを考えます。4月23日発売の書籍『クリエイティブ・チョイス』から抜粋したもので、今回は序章のコラムからです。
「創造的な選択」をはばむ最大の障害は、あいまいな状況に身を置き続けることを不快に感じてしまうという、人間の心理的な傾向です。ここでは本連載のテーマに関係が深い傾向を3つだけ挙げてみます。
こういった傾向は、それだけで善悪を論じられるものではありません。たとえば一貫性によってわれわれはよい習慣を強化していけますが、度が過ぎると頑固で保守的ということになります。
このような傾向を完全に防ぐことはできません。しかしこういった傾きがあることを意識しておけば、選択肢の創造を途中であきらめたり、二分法的思考に陥ってしまう可能性を低くできるはずです。まとめておきましょう。
「クリエイティブ・チョイス」のためには、矛盾にぶつかったり、多くの選択肢を目の前にしたときに、自分の心の動きにあらがうことも必要です。
株式会社アーキット代表。「個が立つ社会」をキーワードに、個人の意志決定力を強化する研修・教育事業に注力している。外資系コンサルティング企業(現アクセンチュア)でシリコンバレー勤務を経験。工学修士(早稲田大学理工学研究科)。著書に『「リスト化」仕事術』(『リストのチカラ』の文庫化/ゴマブックス)がある。グロービス経営大学院客員准教授などを兼任。
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