『経営者になる 経営者を育てる』――経営者に求められる5つのスキルとは藤沢烈の3秒で読めるブックレビュー

ユニクロ、セブン-イレブン、信越化学、京セラといった企業のトップにインタビューした『経営者になる 経営者を育てる』。論理的・戦略的(左脳系)スキルに加えて、5つのアート系(右脳系)スキルを持つべきだという。

» 2009年09月11日 08時30分 公開
[藤沢烈,Business Media 誠]
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 ユニクロの柳井社長セブン-イレブン鈴木会長、信越化学金川社長、京セラ稲盛会長らへのインタビューを元に、経営者に求められるスキルを考察したのが経営者になる 経営者を育てる』(菅野寛著)。リーダーの力を形式知化し、計画的に経営者になるための道筋を描いているのが特徴だ。


経営者に求められる5つのスキル

 論理的・戦略的(左脳系)スキルに加えて、5つのアート系(右脳系)スキルを持つべきだという。

  1. 強烈な意志:事業において何がなんでも結果をだす意志が求められ、そのためには利他的な高い志と責任感が要求される。
  2. しつこさ:『アイデアのつくり方』でもひらめき以前に徹底した分析が必要だった。考え・行動し続ける地道なしつこさが経営には欠かせない。
  3. ソフトな統率力:結果を出すには組織を動かす必要がある。ネアカな人間力をベースに、夢を掲げ共有し続ける統率力を持っておく。
  4. 勇気:意志決定にはトレードオフがあり、情報も十分でないことも多い。そんな状況でも何かを判断し、時に捨てる勇気が必要になる。
  5. インサイト:論理的思考は万能ではない。一歩引いて本質を理解し、組織が陥っている思考パターンを壊し、進化させる洞察力が求められる。

「自分」を乗り越える

 利己的なエゴや失敗への恐れを主観的に超えられていることが、前半3つのスキルから理解できる。限られた情報の中で従来の方法を客観的に破壊・進化できることが、後半2つのスキルから見えてくる。自分の思い込みを主観的にも客観的にも乗り越えることが、経営者になるために必要なのだろう。

著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)

 RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在1000冊超。


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