だいたいA4サイズのうちわ――香川・丸亀の「Ojigi」文具王の「B-Hacks!」

記録的な猛暑だった2010年の夏だが、今年は“マイうちわ”を用意した……って、うちわを用意したぐらい、宣言するほどのことでもないかもしれないが、このうちわはただモノではない。なんと、うちわのカタチがほぼA4(少し小さい)サイズの長方形なのだ!

» 2010年09月30日 12時28分 公開
[高畑正幸,Business Media 誠]

 記録的な猛暑も過ぎ、完全にタイミングを逃してしまった感が否めないのだが、今年入手したちょっとうれしい製品について。

 オフィスで快適な温度で仕事をするのはなかなか難しい。特に夏の体感温度格差はひどいものがある。経費節減やクールビズでエアコンの温度設定が高いなどの以前に、空気の流れの問題でオフィスの温度は均一ではないし、男女や個人差による体感温度が異なるから、オフィスの中は汗だくの人と毛布をかぶっている人が混在している。

 わたしはどちらかというと暑がりの方で、特にちょっと作業で動いた後は、すぐに汗だくになり、その辺にあるクリアファイルとか、どこかの展示会で配ってたノベルティのうちわとかでバタバタあおいだりするのが常。だがファイルはあおぎにくいし、うちわはそのへんの書類と一緒に立てても書類からはみ出すし、丸いのですぐ転がって、これが意外に邪魔で困る。

丸亀うちわ。サイズは4種類。価格は一番小さいミニが1750円、小が1980円、中が2360円、大が2700円。わたしが使っているのは、ほぼA4サイズの中である

 しかし今年からはもう安心だ。マイうちわを用意したからだ! ……って、うちわを用意したぐらい、宣言するほどのことでもないかもしれないが、このうちわはただモノではない。なんと、うちわのカタチがほぼA4(少し小さい)サイズの長方形なのだ!

 何が何でも規格統一派のわたしとしては、これは見逃せない。すでに自分用のうちわとして、デスクの書類立てに一緒にたててある。もう、これだけでハック感アリアリだ。

 うちわは、たいてい丸くて少し大きいので、立てておいても転がって面倒だし幅が書類サイズからはみ出すので、収納には意外に困る。ところがこのうちわなら、ほぼA4サイズ。デスク上の書類立てに違和感なく見事に収まる。取っ手部分が若干斜めになるように裁断されているのもポイントで、立てて収納した時にもちょっとこっち向きに取っ手が出ているし、また、あおぐ際にも、手に持った時に面がこっちを向くようになっていて、イイ感じに風がくる。


ほぼA4サイズだから、デスク上の書類立てにも見事に収まる

 実は、製造しているのは香川県丸亀市。わたしの故郷だと知って、ますます愛着がわいたりしている。このうちわ、オフィスで便利とうたっているが、家庭でも、いまや物を置く場所は悩みのタネ。このカタチなら、オフシーズンもとりあえずどこかに立てかけておくことができるのではないだろうか。

 それでいて、柄の部分がぴょこっと飛び出しているので、見失うことも少ないはず。工程的にはうちわを裁断する時に、四角く裁ち落としただけなのだが、このちょっとしたアイデアは、現代の生活に合わせた伝統工芸の1つの進化のあり方なんじゃないだろうかと思うほどだ。

 ちなみにこのOjigiは、2010年度グッドデザイン賞の「中小企業庁長官賞」 を受賞した。 気になる読者は、ぜひ販売元のデザイン創造工房『めがね』に問い合わせてみてほしい。

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著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

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 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


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