読み取った文字を機械ではなく人力で判別する「O-RID KYBER」。高精度を売りにしているが、A4サイズの紙にびっしり並べた6000文字も完璧にデータ化するだろうか。
最近流行しているスマートフォンと連係して手書き文字をデジタル化する“スマート文具”。手書きのノートやメモのOCRに対応した製品がいくつもあるが、中にはオーリッドが提供している「O-RID KYBER」のように、人力での文字認識を売りにしているサービスもある。
読み取った文字を機械ではなく人力で判別することにより、正確にテキストデータに変換できるという仕組みだ。
専用のノートやメモの印象が強く、他のスマート文具とひとくくりに扱われがちなO-RID KYBERだが、スキャナなどで読み込んだ一般書類のデジタル化にも対応している。オーリッドによると、これを使えば、機械的に行うOCRでは考えられないような高い認識率で、日本語をテキストデータ化できるという。
そこで試しに、A4サイズに約90文字×約70行、およそ6000文字をびっしり並べた原稿を送ってみた。なお、今回は手書き6000文字ではなく、ドキュメントスキャナを用いてグレーモード、約300dpiで取り込んだ原稿を使用している。
するとどうだろう。6000文字をほぼ完璧にテキストデータ化した。結果はアプリ内で確認できる。
今回は文字サイズ6ポイント。注釈などに使われる文字よりもさらに小さいサイズで試してみた。通常のビジネス文書であればよほどのことがない限り、文字サイズを問わずデータ化できるはずだ。
なお、O-RID KYBERを使ったことがない人向けに、簡単にその仕組みや料金を紹介しておこう。まず料金だが、もちろん無料ではない。例えばエコノミープランであれば書類1件当たり50円ほどのコストは掛かる。だが、機械OCRに比べて精度は圧倒的に高いので、後から手作業で修正する手間を考慮すると非常に効率的だ。
申し込み方法はこうだ。まず、あらかじめインストールしておく専用アプリ「O-RID KYBER」経由で、テキスト化したいデータをアップロードする。エコノミープランであれば、初回のアカウント作成時に付いてくる10件分のデジタル化チケットを利用すればよい。チケットがなくなれば1件当たり50円で追加購入できる。
なおアップロード後の納期は24時間となっているが、今回試した深夜の時間帯ではおよそ15分ほどで完了の連絡が来た。10分納期のエクスプレスチケットは、上位のレギュラープランやプレミアムプランで利用できる。
変換が完了するとプレビュー画面にテキストデータを表示する。内容はメールの本文に貼り付けて自分宛に送信しよう。テキスト化されたデータを見ると、機械OCRとは一線を画するクオリティで、修正の必要はほとんどない。手書き文字に対応しているのも大きな特徴だ。
ネックがあるとすれば、使い方が若干分かりづらいこと。また現状では縦書きを認識しないことくらいだろうか。日本語OCRは使いものにならないとあきらめていた人は、ぜひ一度は試してみてほしいサービスだ。
サービス名 | 提供元 | 利用料 |
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O-RID KYBER | O-RID GLOBAL BPO PTE. LTD.(オーリッド) | エコノミープラン7件350円〜 |
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