編集部F: 小田原攻めで北条家が豊臣秀吉に滅ぼされた理由はいろいろとあるのでしょうが、いわゆる大企業病だと思いました。北条氏康のときに隆盛を極め、子の北条氏政、孫の北条氏直が引き継いで関東エリアを支配していたわけですが、氏政&氏直親子はその実力以上にプライドが高くなってしまい、時代の波に乗れなかったのではないでしょうか。昔の成功体験をずっと引きずり、新興勢力(秀吉)が着実に力をつけて、勢力を伸ばしているのに、それを認めようとしなかった、あるいは自分たちのほうが上だというおごりがあった。
ドラマの中で、家康が氏政に対して秀吉への降伏を勧めていましたが、時代の流れを見誤っていなければ、秀吉の下で再出発するという選択肢は十分にあったはずです。現に多くの大名たちはそうしたわけですから。もっとも、領土の規模が大きかったが故に、目の敵にされた北条にも同情しないでもないですが。
大企業にいるからといって、その状況に甘んじていると、世の中は目まぐるしく変化しているので、いつの間にか取り残されて、行き場を失うケースもあるという教訓だと思います。
そんなこんなで、そろそろお別れの時間がやってきました。約1年間、この連載を振り返ってみていかがでしたか?
小日向: 普段は私の歴史の連載など読まないようなビジネスパーソンの方にも、「読んでるよ」と声を掛けてもらうことが多くて嬉しかったです。改めて、歴史をどうビジネスに生かすか考える機会をいただけて、歴ドルとしても起業家としても、良い経験となりました。
編集部F: 真田丸は終わってしまいますが、来年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』も戦国時代が舞台です。まだまだ戦国熱は冷めそうにありませんね。
一同: またお会いする日まで、ごきげんよう!
(おわり)
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