――これまでお話を伺っていると、梅原さんの「言葉」は、どこか哲学者が語る言葉にも近いような印象を受けます。これは自分で生き残っていくために身につけたことでもあるんでしょうか。
生き残るというよりは、きっと悔しかったんでしょうね。自分が本気を出して競いたくても、勉強やスポーツと違って「たかがゲーム」と同年代からも一蹴されてきた経験がありましたから。
世界一になっても認められない環境だったから悔しくて、そういう世界の真髄を他人に理解してもらうには、自分の言葉で一つ一つ説明していく必要がありました。そういう逆境が生んだことなのかもしれません。もし、自分が野球やサッカーみたいなメジャーなスポーツのように、それが得意なことで褒められる世界に生きていたら、こういう力は鍛えられなかったとは思います。きっと、プレイに専念していたんじゃないかという気がしますね。
河嶌太郎(かわしま たろう)
1984年生まれ。千葉県市川市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。アニメコンテンツなどを用いた地域振興事例の研究に携わる。近年は「週刊朝日」「AERA dot.」「DANRO」「Yahoo!ニュース個人」など雑誌・ウェブで執筆。ふるさと納税、アニメ、ゲーム、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。
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