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ひろゆきが“日本の未来”を憂う理由――「他人は変えられない」ひろゆきの仕事哲学【後編】(5/5 ページ)

» 2019年07月22日 05時00分 公開
[霜田明寛ITmedia]
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“海外市場を見据える”必要性はあるのか!?

――経済的な展望はいかがでしょうか? さかんに「海外市場を見据えろ」という人もいますよね。

 個人の給料が上がるかどうかって、売り上げじゃなくて利益率で決まるんです。だからむやみに海外戦略など立てなくても、国内だけでも利益率を高くできれば給料は上がると思います。日本の人口って1億人いるので、良くも悪くも、国内向けに事業をしていれば、それなりな規模になっちゃうんですよね。

――そうすると、海外を向かなくなっちゃうんですかね。

 韓国は5000万人くらいなので、国内向けだけだと成立しないから海外に向けて作ろうという発想になってくるんですよね。例えば、韓国映画は海外でも通用していますよね。でも日本だと“AKBが主演”とかで国内でもそれなりの人数が見てくれる。そうすると、海外の人は誰も見ないような作品でもビジネスとして成立してしまうんですよね。

――映画のようなコンテンツ以外でも、内を向きすぎるのはまずいことなのでしょうか。

 例えば、発泡酒って社会にとって無駄なものですよね。あれ、日本の独自基準に合わせるためにマズイものをわざと作っているじゃないですか。麦を使わないと税金が安くなるという日本の条件に合わせて作られた、ただのマズイ酒ですよね。『消費者は安いから飲むでしょう?』という、ナメたもくろみで内向きに作られていて、『世界に向けておいしいビールを作りましょう』という発想とは無縁のところにある。

 あれを作り続けても技術が進歩するわけじゃないし、無駄な時間を費やしているなあと思ってみていますね。

――確かに内向きすぎるとそういう弊害が生まれますね。とはいえ、日本で生き抜ければそれでいいという考えなのでしょうか。

 ええ、僕自身が海外にいて言うのもなんですが、無理に海外に出ていく必要はないと思っていますよ。海外を全く知らなくても、日本の文化圏の中で、微妙な差を嗅ぎ取って、そこでマーケティングセンスを発揮して日本人からお金をとって暮らす。それでも売上規模としてはそれなりになりますから、この先30〜40年は暮らせると思います。(了)

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著者プロフィール

霜田明寛(しもだ あきひろ)

1985年東京都生まれ。東京学芸大学附属高等学校を経て、2009年早稲田大学商学部卒業。文化系WEBマガジン『チェリー』編集長。『マスコミ就活革命〜普通の僕らの負けない就活術〜』(早稲田経営出版)など、3作の就活・キャリア関連の著書がある。最新作は、ジャニーズタレントの仕事術とジャニー喜多川の人材育成術をまとめた『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)。日々の仕事や映画評、恋愛から学んだことなどを発信するネットラジオvoicy『霜田明寛 シモダフルデイズ』も話題に。Twitter


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