――将来の展望については。
日本の自動車教習所で使用するシミュレーターシステムが古くなっているので、ここに商機を見いだしている。ただ、教習所に納入するには当局からの「認定」が必要なので、なるべく早く取得するよう努力している。いまのところは取れる方向になってきている状況だ。
現状は高齢ドライバーの運転技術が問題視されている。だから今後は特に、高齢者の認知症判定の一部に使うなど、高齢者用の運転シュミュレーターが必要になってくる。また高齢者のリハビリ用に複数の病院からも問い合わせが来ている状況だ。
自動運転車が登場してきたとしても、実際にその運転や操作方法を教習所でどう教えるのかも検討しなければならないし、それに見合ったシミュレーターも必要になる。
交通事故死亡者が多い東南アジアや中国では、交通安全指導のためのシミュレーターはほとんど使われていない。仮に交通安全を重視するために安全運転指導のためのシミュレーターが求められたとすると、数百台規模の注文になるだろう。中国では年間の交通事故死亡者が20万人を超えているといわれ、深刻な社会問題になっている。だから、事故防止対策が求められている状況だ。
米国でも3万人が死亡している実態がある。レベル5の完全な自動運転が実現すれば死亡事故は起きなくなるとも考えられるが、実現には時間がかかる。シミュレーターが交通安全に資するのであればうれしい。
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