ここまでの状況を見ても、「Go To Eat」が飲食店の後押しになっていると言い切ることには違和感がある。日本フードサービス協会によると、3月以降最も売り上げが回復したとされる10月分に関しては、飲食店が予約サイトにどれだけ送客手数料を支払ったかは分かっていないという。つまり、利益ベースでは現れている数字ほど回復したといえない可能性がある。協会では「Go To Eat」の効果について「検証が必要」と語るとともに、こう危惧する。
「キャンペーンへの登録店舗数が半分にも満たない中で、飲食店全体の後押しになっているのかは疑問です。現時点では業界全体への効果も分かりません。全ての飲食店が等しく恩恵を被ることができない事業であることだけは明らかです。
食事券事業は延長されるようですが、Go To Eatばかり進めていくのはどうかと思います。事業が終わったときに、Go To Eatの効果があったという店舗も苦しくなるのではないでしょうか。この年末年始でますます厳しい状況に追い込まれている飲食店を救うためには、直接的な支援策が必要ではないでしょうか」
現時点では少なくとも3分の2以上の店舗には何の恩恵もない「Go To Eat」。新型コロナの感染拡大でさらなる影響が懸念される中、やはり見直すべきではないだろうか。
田中圭太郎(たなか けいたろう)
1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。雑誌・webで警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。「スポーツ報知大相撲ジャーナル」で相撲記事も担当。Webサイトはhttp://tanakakeitaro.link/。著書に『パラリンピックと日本 知られざる60年史』(集英社)
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