超小型人工衛星を活用した宇宙ビジネスを展開するアクセルスペース(東京・中央区)は3月22日、自社で開発した衛星「GRUS」4機の打ち上げに成功した。2018年12月に初号機を打ち上げていて、今回5機体制にすることで高い頻度の観測が可能になる。同社の本格的なビジネス展開が期待できそうだ。
「GRUS」は質量約100キロの超小型光学観測衛星で、地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」を構成する。「AxelGlobe」では複数の超小型衛星に協調した動作を行わせる衛星コンステレーションによって、世界中のあらゆる地域を高頻度で観察できるようになる。農業、森林、都市計画、経済動向把握、環境監視など幅広い産業での活用が見込まれている。
アクセルスペースは2023年までに10機体制の実現を目指すという。蓄積したデータを解析することで、世界のあらゆる場所における日々の変化を捉えるだけでなく、未来予測につなげていくことを目標としている。
打ち上げた4機の衛星全てが、受信局のあるノルウェー上空通過時の信号受信に成功し正常に稼働している。現在、搭載各機器の動作を確認する初期運用を実施中だ。
今回の打ち上げで軌道上での衛星の状態をチェックして定常運用に移行したのち、21年6月までに5機体制での観測サービスの正式開始を予定している。
5機体制になることで、観測頻度はこれまでの2週間に1度から2、3日に1度へと向上する。今まで以上に幅広い産業、用途での本格利用が可能となり、宇宙開発への新たな領域創造や産業の効率化、行政へのデータ提供など多岐にわたる分野での活躍が期待される。
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