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「焼きペヤングメーカー」開発秘話 クラウドファンディングで“個性”が大ヒット家電メーカー進化論(2/7 ページ)

» 2021年07月30日 07時00分 公開

前身はゲームセンター向けおもちゃを扱う商社

 さまざまな家電を釣り扱うライソンはもともと、日本全国のゲームセンターに景品用のおもちゃを卸すピーナッツ・クラブの一つの部署として、家電を取り扱い始めたのが始まりだ。

 「ピーナッツ・クラブは、1958年に今の会長のお父様が吉名工作所を創業したのが始まりで、松下電器産業(現、パナソニック)との取り引きで主にスピーカーの部品などを作っていたそうです。ただ、90年代に入ってそれら部品の生産が徐々に中国へ移っていく中、先代がディスカウントストアを始めたのが、玩具やファンシー小物を扱うようになったきっかけです。その後、UFOキャッチャーなどのクレーンゲーム機が登場したことでゲームセンター業界が急成長したことから、業態はアミューズメント向けの卸売業に変化していきました」(山氏)

 おもちゃやぬいぐるみ、ファンシー雑貨などを仕入れ、ゲームセンターへ卸していくようになった。一部の商品を中国市場で仕入れることもあり、その流れの中で、ピーナッツ・クラブも家電を扱うようになっていった。

 初期に取り扱った家電の中で、現在も販売が続くロングセラーとなっているのが、家庭でもで簡単にわたあめが作れる製品だ。これは元々、米国市場向けに製造されていたものを、日本向けに電源周りやパッケージなどをローカライズして販売していった。

 「わたあめメーカーは4種類ぐらいありまして、実は一番売り上げを引っ張ってきた製品です。『あんなの売れるのですか?』ってよく聞かれますけどね(笑)」(山氏)

ザラメだけでなく、あめ玉からもわたあめが作れる「わたあめ屋さん」。小規模な催事などで見掛けることも多い

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