電子タバコ市場、27年までの年平均成長率は9.2%以上

» 2022年01月05日 19時02分 公開
[秋月かほITmedia]

 米REPORTOCEANは、電子タバコの世界市場が2021年から27年にかけて9.2%以上の健全な成長率で成長する見込みとするレポートを発表した。電子タバコの世界市場は、20年で約171億4000万米ドルと評価されていて、同社は27年には317.5億ドルに達すると予測する。

photo 電子タバコの世界市場は、健全な成長率で成長すると見込まれる(写真提供:ゲッティイメージズ)

 電子タバコは、煙を出さずにタバコの煙を吸引する感覚を得ることを目的とする、気化したニコチン溶液を吸引できるバッテリー駆動のデバイスのこと。通常のタバコより安全な代替品を採用するニーズが高まっていることが、市場の推進要因となっている。

 従来のタバコと電子タバコの異なる点として、メンソール、チョコレートといった各種フレーバーが用意されていることが挙げられる。これは顧客を引き付け、市場の成長を高める要因の1つとなっている。さらに消費者が異なる機能や部品を組み合わせてカスタマイズできるよう、多様な価格帯で利用可能なフレーバーやデバイスも用意している。

 しかし、米国やインドのような国では電子タバコ製品の販売に規制が課されており、市場の成長を抑制している現状もある。一例としてニューヨーク州やミシガン州ではフレーバー電子タバコの販売を禁止しており、広告やプロモーション、電子タバコのニコチンのレベルについても規制している。アジア諸国においてもフィリピン、タイ、ベトナムなどで禁止されており、市場の成長が鈍化している。

 市場の地域別分析の対象は、北米、欧州、アジア太平洋地域、中東・アフリカ、南米などの地域。主要な市場プレイヤーが存在する北米は、20年において40%以上を誇る圧倒的な市場シェアを占める。アジア太平洋地域では電子タバコの多くが北米や中国などの国から輸入されており、オンラインプラットフォームで大量に購入できることから、大きなCAGR(年平均成長率)が見込まれている。

photo 電子タバコの世界市場は、2020年で約171億4000万米ドルと評価(リリースより)

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