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» 2021年10月08日 11時37分 公開

マールボロブランドが消滅 フィリップ モリス インターナショナルCEOに聞く「たばこビジネスの展望」新・たばこビジネス【後編】(1/4 ページ)

「煙のない社会」を提唱し、10年以内に日本国内の紙巻たばこの販売から撤退を目指すフィリップ モリス インターナショナル。陣頭指揮を執るオルザックCEOはIQOS ILUMAやTEREAの開発にも深く関わってきた。今後のPMIのビジネスについてオルザックCEOにインタビューした。

[武田信晃,ITmedia]

 フィリップ モリス インターナショナル(PMI)は8月、加熱式たばこの新型IQOS ILUMA(イルマ)と、IQOS ILUMA 専用たばこ TEREA(テリア)スティックを日本市場に投入した。同社は「煙のない社会」を提唱し、10年以内に日本国内の紙巻たばこの販売から撤退を目指す方針を掲げている。具体的には2025年までに同社の紙巻たばこ喫煙者の少なくとも4000万人を煙の出ない製品に切り替え、同社の純収入の50%以上を煙の出ない製品で占めることを目指す。

 その陣頭指揮を執るのは5月に最高経営責任者(CEO)に就任したヤチェック・オルザック氏だ。オルザックCEOはIQOS ILUMAやTEREAの開発にも深く関わってきた。IQOSなどの好調によって同社の2021年第2四半期(4〜6月期)決算を見ると、調整後営業利益は前年同期比18.7%増の34億5400万ドルで、コロナ禍でも独自の成長を遂げている。

 また、同社は紙巻たばこに依存しない事業構造への転換を進めている。加熱式たばこに力を入れるほか、新型コロナウイルスのワクチン開発を手掛けるカナダのバイオ企業に出資するなど、ライフサイエンスの分野にも事業の幅を広げた。前編に続き、今後のPMIのビジネスについてオルザックCEOにインタビューした。

ヤチェック・オルザック 1993年にPMI入社。PMIのポーランドならびにドイツ市場のマネージング・ディレクターや、欧州連合地域のプレジデントなど、欧州各地で財務およびゼネラルマネジャーを務める。2012年に最高財務責任者(CFO)に就任。18年に最高執行責任者(COO)。ポーランドのウッチ大学で経済学修士を取得。56歳(以下リリースより)

マールボロブランドが消滅

――7月に、英国で10年以内にたばこの販売をやめ、貴社の主力商品であるマールボロブランドも将来消滅する趣旨の発言を、英紙『メール・オン・サンデー』でしていました。日本でも同様のことが起こりますか?

 英国でも煙のない社会を目指すということで、紙巻たばこを10年以内に終売させられば……という流れでそういう話をしました。ただ、こういった取り組みは日本のほうが先行していて、日本での売り上げは4割が紙巻で、6割が加熱式なのです。つまり、日本においては紙巻のマールボロよりもIQOSのほうが売り上げは大きいわけです。

 他国の市場でも同様の展開をし、加熱式商品の売り上げが各マーケットで半数以上を達成することをベンチマークとしています。これはできるだけ早く実現させたいと考えています。また、25年の当社のグローバルセールス全体の半分以上を、加熱式たばこなどの紙巻たばこより良い代替製品の売り上げにすることを目標にしています。

新型IQOS

――マールボロは、たばこを吸わない人でも知っているブランドです。それがなくなるならば、代替するブランドが必要になると思います。例えばイルマを吸わない人でも認知してもらえるブランドであるテリアを育てていきたいと考えていますか?

 マールボロ以上に成功するブランドを築いていきたいのです。紙巻たばこはすでに「過去のもの」で、これからは煙のない社会にするビジョンの下に戦略を展開していくつもりです。そのビジョンを社員全員が理解し納得すれば、次にどういった戦略がいいのかという選択肢が生まれてくるでしょう。

マールボロ以上に成功するブランドを築いていきたいと話す
加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」専用のたばこスティック「マールボロ・ヒートスティック・ブライト・メンソール」(プレスリリースより)
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