トップインタビュー

アイリスオーヤマ大山晃弘社長を直撃 売上高1兆円の目標にはこだわらず安定成長へ22年の展望(4/5 ページ)

» 2022年01月07日 11時57分 公開
[中西享ITmedia]

平均3.9%のベアを実行

――4月には好業績を反映して社員平均3.9%のベアを実行しました。この比率は世間平均と比べてかなり高いですね。今後も利益が出たら社員に相当分を分配していく方針でしょうか。

 従業員に貢献してもらったことで、業績も良くなり当社は成長しています。ですので、できるだけ社員には還元するようにしています。未上場企業なので、外部から配当性向を高くしろという要求もありませんから、利益を従業員とできるだけシェアしようとしています。

――22年4月の新卒採用はどれくらいになりますか。

 大卒は約350人、高卒は約400人の合計約750人が入社する予定です。ある程度人手不足になってくると人材の取り合いになりますので、(今回のベアは)それに向けての布石です。いまのうちに優秀な人材をできるだけ多く確保しておきたいと思います。

――女性の活躍が話題になっています。アイリスの女性管理職比率はどれくらいですか。将来目標はありますか。さらに比率を増やすためには何が必要だと思いますか。

 現在の比率は14%で、少し低いと思っています。5年はかかると思いますが、30%にはしたいと思います。

 具体的には就業形態を見直すことでライフイベントなどに柔軟に対応できるようにサポートしていきたいと思います。管理職比率は少しずつ上がってきており、「女性でもできるんだ」という意識が広がってくれば変わってくると思います。

――会長と社長の業務の分担はどうなっているのでしょうか。

 私はアイリスオーヤマをみています。会長はアイリスグループ全体の大型投資、新規事業、M&Aなど金額が大きな投資の判断をしてもらっています。会長のここまで事業を大きくしてきた事業を見る目の厳しさ、事業に対する選球眼はかなわないところがあり、それはプレゼン会議の場でも出ます。

 ただ私が会長と違うのは、これからの社会を見る目や働き方の面などで、若い目線を持っていることです。会社のステージが変わって価値観は常に変わっています。そういったことについては私が勉強し、会長と共有するのが役割だと考えています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.