そんな福井を川田会長は愛してやまない。
「福井は古き良き日本が残っていますよ。武士道だったり、おもてなしの精神だったり。女性の社会進出も多く、とにかく働きます。仕事だけでなく、家事や育児も全部こなしたいと言うんです。そういう郷土を非常に愛していますし、誇りですよね」
ただし、世間では幸福度ナンバーワンと評価されているものの、県民にはその意識がないという。豊かさに慣れてしまっているため、これが当たり前だと思っている節がある。だから対外的にアピールしたり、自慢したりすることもない。情報発信力のなさが福井の課題で、それが観光産業などにも影響を及ぼしていると川田会長は指摘する。
福井の魅力発信に向けて、自らもやらねばならないことはまだ多いとするが、一企業としては経済発展こそが地域への恩返しなのだと川田会長は言い切る。
「できるだけ活性化したいという思いで、われわれも地元の音楽や文化事業などへの支援活動をしています。ただ、何よりも会社がたくさんの利益を出すことが地域への貢献ですよ」
伏見学(ふしみ まなぶ)
フリーランス記者。1979年生まれ。神奈川県出身。専門テーマは「地方創生」「働き方/生き方」。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科修了。ニュースサイト「ITmedia」を経て、社会課題解決メディア「Renews」の立ち上げに参画。
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