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事故現場の状況をAIが自動作図 MS&AD副社長に聞く「新時代の保険ビジネス」シリコンバレーに社員を派遣(4/5 ページ)

» 2022年02月22日 12時18分 公開
[中西享ITmedia]

コロナ禍での営業方法の変化

――コロナ禍で営業のやり方が以前と変化してきているのでしょうか。

 コロナ前は「営業担当がどうして来ないのか」というお客さんが多かったですが、いまは「来なくてよい」というお客さんもいて、変わってきています。代理店には「MS1 Brain リモート」や「らくるまネット」など非対面の代理店営業支援システムを導入しているので、顧客とはWeb上で契約が締結できてしまいます。

――損害保険の審査スピードを早めようという動きが出ていますが。

 保険の審査の仕事は、以前は社員が水災被害のあった現地に行って浸水の程度を一軒一軒、巻き尺で計測していましたが、いまは被災地域にドローンを飛ばしてAIがセンチ単位で正確に浸水の程度を計測できます。契約のデータさえあれば、短期間で保険金の算出ができるようになっています。

――女性管理職比率は現在どれくらいですか。さらに引き上げるためにどのような対策を取っていますか。

 21年4月時点で16.1%です。21年3月までに15%という目標を掲げていましたがクリアしたので、いまは引き上げて30年度末までに30%にしています。また、30年度末までにMS&ADホールディングスの女性役員比率を執行役員含め30%(現状24%)にする目標を掲げています。

 日本企業は年次を重視する傾向があります。無理な施策をしようとすると会社のモラルが壊れる部分もありますから、当社は少しずつ女性管理職の予備軍を育ててきました。この予備軍の塊がかなりできてきたので、全体で人材プールがしっかりできるようになりました。今は社員の役割に男女差もないし、男女比率は半々で、営業にも女性社員が普通に取り組んでいます。

 社員全員にシンクライアントパソコンを配布しているので、産育休で自宅にいても会社の様子が分かるようにし、希望者には育児などの合間に自宅で臨時就業できる制度も作りました。営業成績の集計などの仕事をやってもらっています。そうすることで会社とつながっている感じがあり、職場へ戻ってきやすくなれます。

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