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2012年冬、ミラーレスカメラ選び5つのポイント(1/2 ページ)

» 2012年12月04日 16時48分 公開
[佐藤眞宏,ITmedia]

まずは「どう使うか」をイメージする

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 ミラーレスカメラは今やすっかり定着し、人気ジャンルとしての地位を確固たるものとしている。その製品バリエーションも多く、価格面でも数万円から10万円オーバーまでと幅広い。一昔前ならばミラーレスカメラといえばコンパクトデジカメからの入門モデルとしての色彩も濃かったが、いまや高性能モデルはミラーレスカメラならではの機能や性能を有し、デジタル一眼レフとの2台持ちも現実的な選択肢となっている。

 そこでまず確認したいのが、「どのように使うか」「どのようにそのカメラと付き合っていくか」だ。

 初めてのレンズ交換式カメラとして購入しこれから本格的な写真撮影に挑戦してみたいのか、はたまた、軽快さと画質を両立させたスナップカメラとして利用したいのか、あるいはすでにデジタル一眼レフを所有していてレンズ資産を活用したいのか、購入後、どのように使っていくかを想像しよう。

 今後、本格的な写真撮影に挑戦していきたいのならば、オリンパス「OM-D E-M5」やパナソニック「DMC-G5」など利用できるレンズ種類の多いマイクロフォーサーズ機を検討したいし、ファインダーを備えたソニー「NEX-6」やニコン「Nikon 1 V2」、富士フイルムの「FUJIFILM X-E1」も写真の勉強には役立つはずだ。

 軽快さと画質の両立を考えるならば、レンズ装着時の体積が小さいモデルを検討したい。ソニー「NEX-5R」「NEX-6」や、パナソニック「DMC-GX1」「DMC-GF5」の電動ズームレンズキットならばボディも比較的小さく、また、未使用時にレンズが短くなるので携帯に困らない。また、オリンパスの「OLYMPUS PEN Lite E-PL5」「OLYMPUS PEN mini E-PM2」はボディ自体も小さく、キットレンズが未使用時に全長が短くなる収縮機構を備えているので、携帯時にかさばらない。絶対的なボディサイズの小ささということならば、ペンタックスの「PENTAX Q10」ならびに「PENTAX Q」が他を圧倒するスモールサイズとなる。

photo 「EOS M」のダブルレンズキットに付属するマウントアダプター「EF-EOS M」を使ってEFレンズを付けた状態

 レンズ資産の活用という観点からすると、既存の一眼レフ用レンズをセットできるマウントアダプターが用意されているかをチェックしておきたい。マウントアダプター自体はサードパーティ製も複数販売されているが、そうした製品はピント合わせがマニュアルになることがほとんど。利用の簡便さからすればAF対応のマウントアダプターを利用したい。そうなると、AF対応マウントアダプターをダブルレンズキットに含めている、キヤノンの「EOS M」、オプションでAF対応マウントアダプターを用意しているニコンの「Nikon 1」シリーズ、ソニー「NEX」シリーズなどが候補になるだろう。

2012年、ミラーレスカメラのトレンド

 どのように使うかのイメージをある程度でも描いたところで、次に2012年のトレンドをチェックしていこう。2012年のトレンドとして挙げられるのは、「オートフォーカスの高速化」「ファインダー搭載機の増加」「液晶の高機能化」「Wi-Fiなど付加機能の搭載」「高級機の登場」だ。

  • オートフォーカスの高速化

 ミラーレスカメラはその名の通りミラーを搭載せず、オートフォーカスはコントラストAFにて行う。そのため、位相差AFセンサーを備えるデジタル一眼レフに比べて、望遠撮影や暗所でのオートフォーカスが遅いと言われてきたが、オリンパスがPENシリーズやOM-Dで採用する「Fast AF」のようにセンサー自体を高速駆動させることでAF速度を速めてきたほか、ニコン「Nikon 1」シリーズやキヤノン「EOS M」、ソニー「NEX-5R」「NEX-6」では、撮像素子に位相差AFセンサーを内蔵する「像面位相差」方式の採用でAF速度を速めてきた。

photophotophoto 左からオリンパス「OLYMPUS OM-D E-M5」、ニコン「Nikon 1 V2」、キヤノン「EOS M」。Nikon 1とEOS Mは撮像素子に位相差AFセンサーを内蔵する「像面位相差」方式の採用でAF速度を速めている

 像面位相差についてはレンズ側の対応も必要となり、製品に合わせて開発された新マウントを採用する「Nikon 1」と「EOS 」はともかく、ソニー「NEX-5R」「NEX-6」ではすべてのEマウントレンズで利用できるわけではなく、レンズによってはファームウェアアップデートを待つ必要がある。

 それに、像面位相差はコントラストAFと違って画面のスミでAFを合わせられないなどといった制限もあるため、各製品ともにコントラストAFと像面位相差AFを組み合せて利用しているが、その試行錯誤はまだ続いている段階。事実、これら製品の中では、「速いときはスパッとAFが合うがそうでもない」とAF速度と精度にムラのある製品もある。

 ただ、これまでコントラストAFが苦手としてきた、動物や子どもなど動きの速い被写体でも、スムーズにピント合わせのできる製品が増えてたのは事実。被写体とレンズ次第という側面はあるが、気にしておいた方がよいポイントである。

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