最後は焼きたてのパンを。細長い生ハムのエピ。エピってなんだろうと思ったら、フランス語で「穂」。麦の穂に似てるからだそうな。これはピンポイントでフォーカスを合わせて前後をぼかしたい。
じゃあどこにピントを合わせるのがいいのか。
上から順番に、一番手前、2番目、3番目とピントの位置をちょっとずつずらしながら撮ってみた。
一番手前に合わせたのは明らかに違う。手前に合わせちゃうって(特にピントをカメラ任せにしてると)やりがちだけど、これではどんなパンなのか分かりにくい。2枚目は、2番目と3番目がくっきりしてて、その前後がぼけてる。3枚目は少しピントが後ろにあると感じる。
実はピントの合う幅(被写界深度といいます)は、フォーカス位置より後ろに大きめなのだ。
それをちょっと頭にいれておくといい。
となると、最適なのは2番目に撮ったもの、となるわけだ。
残るは色。ちょっと色が気になる。いまひとつ暖かみが足りない。
そこでオートホワイトバランスで撮るのをやめて、ちょっとカメラの設定をいじってみることにした。
こうしてみると、太陽光に合わせたものの方が少し赤みがあってパンらしい色になっている。ホワイトバランスをどうするかは大事なのだ。
さてあとは好きに撮ればOK。
思いつく限りいろんなバリエーションで撮ってみて、気に入ったものを使えばいいし、そうすることでどういう角度からどう撮ったらどう写るかをだんだん脳が覚えていく。
ちなみに、マクロレンズを使ってギリギリまで寄って撮ると、何がなんだかわからなくなってそれはそれで面白いので、おまけとしてどうぞ。
正直、わたしにはどうも「きれいに見えるよう、配置する」センスがないらしい(だから部屋を飾ったり棚に小物をきれいに配置したり、そういうこと全般が不得手なのだ)。そんなわけで、室内で撮るときの技術的な話を中心にしてみた。あとは横着せず、配置や角度を細かく変えながら、撮りたいイメージを膨らませつつあれこれ試してみるのがよいかと思います。
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