M&A後にどちらかのシステムに片寄せするのでなく、いきなり新規投資するのでもなく、使えるものは使ってゆくビジネス目的を重視した米国の企業文化は、極めて迅速な動きをもたらす。SOAはそこから生まれてきた。WS-Resource Frameworkの標準化のプロセスを見ても最近の動きを察知できる。巨大な仕様を一気に策定するのには大変な長期間を必要とするが、近年のニーズに合わない。そこで仕様の担当分野を細かく切り分けて、少しづつ標準化してゆき、実装してゆくという方法を取っている。
一方、笛吹けど踊らず、という言葉もある。ミドルウェアやISVパッケージが幾らSOA化をサポートしようと、肝心のエンドユーザーである企業側がSOAに向かって動くのは容易ではないであろう。ボトムアップで解決できない問題であることは確かである。
清水敏正(技術理事 / IBM Distinguished Engineer)
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