SOAの意味するもの――時代を見る新たな潮流(5/5 ページ)

» 2005年04月25日 00時00分 公開
[清水敏正(日本アイ・ビー・エム),ITmedia]
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米国の企業文化が生んだSOA

 M&A後にどちらかのシステムに片寄せするのでなく、いきなり新規投資するのでもなく、使えるものは使ってゆくビジネス目的を重視した米国の企業文化は、極めて迅速な動きをもたらす。SOAはそこから生まれてきた。WS-Resource Frameworkの標準化のプロセスを見ても最近の動きを察知できる。巨大な仕様を一気に策定するのには大変な長期間を必要とするが、近年のニーズに合わない。そこで仕様の担当分野を細かく切り分けて、少しづつ標準化してゆき、実装してゆくという方法を取っている。

 一方、笛吹けど踊らず、という言葉もある。ミドルウェアやISVパッケージが幾らSOA化をサポートしようと、肝心のエンドユーザーである企業側がSOAに向かって動くのは容易ではないであろう。ボトムアップで解決できない問題であることは確かである。

清水敏正(技術理事 / IBM Distinguished Engineer)

メインフレームOS、分散処理、SNA 、ネットワーキング、LANなど、さまざまな製品テクノロジーの普及・技術支援を担当。1991年から5年間テキサスに駐在し、全世界向けの技術書籍とワークショップを提供。帰国後は、Webアプリケーションサーバの普及に注力し、多くの顧客企業のミッションクリティカルなシステム構築にITアーキテクトとして携わる。日本の顧客企業に受け入れられる製品技術の開発と提供が信条。海外の開発部門と一体となり、アプリケーション構築の最適プラットフォームとしてのアプリケーションサーバを追求中。 現在SOAを広めるために鋭意活動中。

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