高品質企画を生み出すには「ブロック崩し」から企画マネジメント 本気度を示せ(2/2 ページ)

» 2007年06月29日 07時00分 公開
[大西高弘,アイティセレクト編集部]
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発想を広げる道具づくり

 前出の4つのブロックのうち、「組織のブロック」はマネジャーの力で少しでも改善していけるものだ。

 「人間関係のブロック」は要するに自主規制をしてしまうメンバーの心理を変えていく必要があるわけだが、キラー上司としてメンバーの意欲を消失させてしまうような言動をしているとしたら、それを改めるだけで、かなり変ってくるだろう。また「風土のブロック」がきつい企業、会社全体が人とは違った言動を否定的にとらえ、「横一線」を良しとする雰囲気があるとするなら、逆にチャンスといえるかもしれない。

 キラー上司が他の部署で幅を利かせている組織で、出した企画が否定されない会議を開く上司はやる気のある若い社員たちの間ですぐに注目されるようになる。求められている企画の方向性を示し、まずはあらゆるアイデアを受け入れ、ぶれない評価基準を持って判断し、メンバーに説明してくことを心がけるだけで、ブロックは氷解していく。

 高橋氏はネーミングを考えるとき、企画メンバーに発想を広げるための道具を配るという。

 「例えば、新しいミルクのネーミングを考えるとします。ミルクから連想される多様なキーワード、『暖かい』『育む』『牛』などといったものをあげておいてそれぞれ英語、フランス語、ドイツ語の訳を付け加えたものを会議のときに配ります」

 おそらくキラー上司はこうしたことはするまい。会議室の上座に陣取り、メンバーを睨みつけることが先決と考えるだろう。

 マネジャーとしてのあなたが、会社の中でどの階層にいるかは分からない。しかし企画づくりにおいては、組織での地位は邪魔になるばかりだ。良い企画が欲しければ、どんな資料や道具を提供すれば、メンバーのやる気のエンジンがかかるのか、発想力が全開になるのかを考え、率先して行動しよう。

 高橋氏のようにマネジャーの本気度を示すことが、メンバーの可能性を広げることにつながる。

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