やる気を生み出すには「とにかく、やってみる」ビジネスマンの不死身力(2/2 ページ)

» 2009年10月24日 09時45分 公開
[竹内義晴,ITmedia]
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やる気スイッチを作る

 スポーツ選手の中には、「げん」をかつぐ人が多い。「げん」には「縁起」という意味があり、良い結果が出たときの服装や行動を繰り返すこととして知られている。ある意味、「やる気の条件付け」である。

 働く上でも、この「やる気の条件付け」を意識している人は少なくない。知人の経営者は、仕事においてスーツとネクタイを欠かさない。ネクタイをきゅっと締めたときに「やる気スイッチが入る」のだと言う。ネクタイを締めたときに心が引き締まる気持ちと、その行動を繰り返すことによって、自分のやる気を生み出すことができたのだ。

 それならば、やる気が出そうなことを繰り返しやってみて、意識的に「やる気スイッチ」を作ってみてはどうだろうか?

 例えば、わたしの「やる気スイッチ」の1つにシステム手帳がある。手帳には「将来こうなったらいいな」という姿を細部まで具体的にイメージし、そのときの楽しい気分やわくわくした心地よさを臨場感たっぷりに体験した後、そのイメージを「夢マップ」として手帳に書き込んである。これまで何度もイメージしているので、その手帳に触れただけでその心地よさが一瞬でよみがえってくる。その手帳はスケジュールの部分を入れ替えて、もう何年も使い続けている。

 イメージがどういうものか分かりにくかったら、あなたが今まで小説を読んだときのことを思い出してほしい。多くの人は小説を読みながら、物語の中の風景を頭でイメージしながら読んでいるはずだ。また登場人物の声や、感じているであろう心の動きを想像しながら読む人もいる。これが「イメージ」である。

 イメージは、環境や時間、お金、スキルにとらわれず自由に思い描いてみよう。自分に制限をかけないことがポイントだ。途中のプロセスは気にせず、「うまくいったとしたら、自分はどうなっているだろう?」と、やり遂げた後の結果をイメージしてみてほしい。さらに、その内容を普段から使っている手帳に書いて、手帳に触れながら何度もイメージを繰り返す。そうすれば、手帳に触れるだけで気分が良くなり、やる気が生まれるようになってくる。これが「やる気の条件付け」だ。

 手帳に限る必要はない。例えば、大きな商談が成立した達成感を感じながら、携帯電話で報告する自分の姿を想像し、実際に携帯電話を触ってみるのもいいだろう。やる気とほかの行為を条件付けて、楽しみながら「やる気スイッチ」を作ってみて欲しい。

モチベーションが常に高い人はいない

 人である限り、気持ちには山や谷がある。

 常に高いモチベーションを保っているように見える人でも、四六時中やる気を出し続けられる人はいない。常にモチベーションが高いと、逆に疲れてしまうかもしれない。

 モチベーションが上がらないことにも、実は意味がある。それは、気持ちを高めるための「充電期間」を心身が求めているのかもしれないし、仕事を一歩下がって客観的に見直すためのサインなのかもしれない。モチベーションの低下は、自分の本心とじっくりと向き合うチャンスなのである。

 自分自身を上手にコントロールし、やる気を最大限に引き出せるようになれば、仕事や生活において張りが生まれるだろう。

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著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)

 竹内義晴

テイクウェーブ代表。自動車メーカー、コンピュータ会社を経て、現在は、経営者・起業家・リーダー層を中心としたビジネスコーチング、人材教育に従事。システムエンジニア時代には、プロジェクトマネジメントにコーチングや神経言語学を生かし、組織活性化を実現。この経験を生かして、クライアントの夢が現実になるよう、コーチングの現場で日々奮闘している。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。


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