疲弊しない会議を実現する4つのステップビジネスマンの不死身力(2/2 ページ)

» 2009年11月07日 00時00分 公開
[竹内義晴,ITmedia]
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ステップ3:会議の時間をはっきりとさせる

 限られた時間を最大限に活用するには、会議の時間もはっきりと決めておくと効果的だ。冒頭の例なら「中間決算に30分、○○事業の提案の方向性決めに60分、そのほかの振り返りは30分――と配分し、○時には会議を終了しましょう」と参加者に宣言する。これにより、参加者は時間内に結論を出し、会議を終えようとする意識が働く。

 具体的な時間配分をしておくと、1つの議題が延長しそうになっても、「予定時間が過ぎてしまったため、次の内容に移ろうと思うのですがいかがでしょうか?」と切り出しやすい。時間を区切ることで、「予定より進行が遅れているので、早く結論を決めなくていいのでしょうか?」といった参加者からの能動的な発言も期待できる。結論もおのずと決めやすくなるはずだ。

ステップ4:会議の進め方の合意をとる

 「何を決めたいのか(ステップ2)」「どのように会議を進めたいのか(ステップ3)」を明確に伝えたら、その合意を取ろう。やり方は簡単で、「このように会議を進めますが、よろしいですね?」と確認を取るだけだ。何人かの人は軽くうなずいてくれるだろう。これがあると、会議が脱線したり時間が超過したりしたときに、軌道修正を行うための言葉が掛けやすくなる。

会議目的と時間を意識させながら会議をする事例

 わたしが普段クライアントに対して行っているコーチングは、言い換えれば「相手と私の会議」である。そこで、相手と話を進める上で、「会議を円滑に進める4つのステップ」を意識的に使っている。

 まず、コーチングを始める前に、「今回のテーマ(一言で)」「コーチングで得たい具体的な内容」などのアジェンダを、電子メールで送ってもらうことにしている。決めたいことを事前に明確にしていただくことが狙いだ。また、アジェンダがあることでスムーズにコーチングを始めることができる。

 コーチングが始まると、時間を気にせずに話を続けようとするクライアントもいる。そこで、コーチングの目的を明確にし、時間を意識してもらうために、コーチングを始める前には必ず、「60分後に得ていたい成果は何ですか?」「60分経ったときに、何が手に入っていたらいいと思いますか?」と問い掛けるようにしている。これにより、「何のためにこの時間を使うのか?」というイメージが明確になり、「時間は60分であること」という意識付けをすることができる。そして「では、今日のテーマは○○ということでよろしいですね?」と合意を取ってからコーチングを始めるのだ。

 会話が当初の目的とずれてきたり、時間内におさまりそうにないと感じたりしたときには、「最初の目的は○○でしたが、このままお話していて大丈夫ですか?」「このままでは時間内に終わりそうにありませんが、このまま続けてもいいですか?」とお伺いするようにしている。こうすることで、クライアント自身が時間を意識し、その中で最善の結論を出そうとしてくれるのだ。


 限られた時間で行う会議だからこそ、活発な議論を引き出し、最大の成果を上げたいものだ。みなさまも今回紹介した4つのステップを意識しながら、会議を進めてみてはいかがだろうか。

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著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)

 竹内義晴

テイクウェーブ代表。自動車メーカー、コンピュータ会社を経て、現在は、経営者・起業家・リーダー層を中心としたビジネスコーチング、人材教育に従事。システムエンジニア時代には、プロジェクトマネジメントにコーチングや神経言語学を生かし、組織活性化を実現。この経験を生かして、クライアントの夢が現実になるよう、コーチングの現場で日々奮闘している。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。


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