ビジネスシーンでの実用化が進み始めた人工知能。その活用分野の拡大やビジネス展開を探るキーとなるのは、人工知能の進化を支えるテクノロジーです。4つの分野に整理して見ていきましょう。
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
人工知能がいま実用化へ向けて大きく動き出した背景を見ると、4つのテクノロジーの進化に支えられていることが分かります。
インターネットの普及とともに、膨大なデジタルデータが日々生み出されています。スマートフォン、ソーシャルメディア、そしてIoTの普及は、日常生活や社会活動などの現実世界のデジタルデータ化を加速し、拡大させています。
こうして集められたデータは、ビッグデータと呼ばれ、現実世界のさまざまな事象がデータとして取り込まれたこれらのデータが人工知能の知識の源となっています。
高性能化し、低価格化が進んだハードウェアは、急激に増え続ける膨大なビッグデータを格納する受け皿として、また、ビッグデータを分析する巨大な計算資源として使われています。
センサーやコンピュータの小型・高性能・低価格化は、ウェアラブルやロボット、IoTを普及させる要件となります。それらが現実世界のデータを収集する感覚器として、また、生成された情報を利用する手段になります。
機械学習やディープラーニング、神経言語プログラミングなどのアルゴリズム(計算の手法や手順)が開発され、状況の分析や判断、最適なルールの生成や解釈など、自律的行動に必要な知識を生成します。これが人工知能の賢さを飛躍的に向上させました。
高速・大容量のネットワークは、膨大なデータを収集し、その結果をフィートバックするために欠かせません。さらに近接通信技術により、ウェアラブルとモバイル、あるいは、センサーが埋め込まれたモノが低消費電力で効率よくつながる仕組みができました。
こうしたテクノロジーの支えにより、さまざまな用途で人工知能が使われるようになったのです。
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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