ときには上司は“悪魔”になるべし?ディルバート(485)

「部下を動かすために上司は冷徹になるべき」と解く説もあるようですが、ボスの無茶振りについては何だか納得いかない気がするのは、なぜなのでしょうね。

» 2017年01月26日 08時00分 公開

明日の朝6時、エルボニア人の客からの電話を受けてくれないか?


いいですよ。睡眠不足で健康を害するリスクを負えばいいだけの話ですから


もちろん、僕をそんなに早く出勤させるボスの根性が許せないですが


それに、僕の悪い態度が同僚に影響を及ぼして彼らの生産性も下げてしまいますが


当たり前だけど、睡眠不足のせいで僕の判断力も落ちますよ


それに、僕は重要なプロジェクトに携わっているので、その波及効果は壊滅的かもしれない


それでも僕に朝6時に出勤しろ、と?

そうだ


マネジャーになるために反社会的人間である必要はないが、なっていると有利だともいえる


  


 「鬼! 悪魔!」と心の中でつぶやきつつも、黙って上司の無理難題を引き受けた経験のあるそこの君、いつの時代もサラリーマンはつらいねぇ……。

 “sociopath”は「社会病質者」のことをいいますが、類似した言葉に「精神病質者」と訳される“psychopath”があります。両者とも映画などで猟奇殺人の犯人などを表すときによく使われる言葉ですが、いずれも反社会性人格障害を表す言葉であるものの、十分に学術的には定義されておらず、使う時も混同されやすい単語であります。あえて区別するならば、一般的に“sociopath”は環境などによって形成される後天性のものであるのに対して、“psychopath”は脳の構造の違いによる先天性のものといわれています。

 またどちらの言葉でも使われている“path”は、ギリシャ語の“pathos”から「感情」または「疾病」「苦痛」を意味します。よって“sympathy”は「共感する」、“apathy”は「無気力」。「病い」の意味で使われる例は上記2単語以外にも、“pathology”(病理学)や“pathogen”(病原体)などがあります。

 なお、某アニメの「サイコパス」は人間の精神状態を化学的に分析して数値化したデータを意味する造語であり、つづりも“psycho-pass”なので、くれぐれも間違いないように。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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