越前加賀エリアの4市1町で構成する越前加賀インバウンド推進機構は、NECなどの協力の下、増加する訪日外国人に向けた観光施策として、スマホアプリで観光情報などのサービスを展開する基盤システムを構築した。
越前加賀インバウンド推進機構は、NEC、NECネッツエスアイ、JTBプロモーションと共同で、越前加賀エリアにおけるICTを活用した「訪日外国人向け観光支援基盤システム」を構築した。スマートフォンアプリやデジタルサイネージなどを通じて、外国人観光客に観光情報などのサービスを提供するとともに、地域の宿泊施設や商業施設向けに、指さし会話ができる多言語案内ツールやマーケティング支援を展開していく。
同機構は、福井県と石川県の県境に位置するあわら市、勝山市、坂井市、永平寺町、加賀市からなる越前加賀エリアの4市1町で構成する組織。地域の宗教文化や食、温泉、自然などの観光資源を生かしたインバウンド推進事業を実施している。
同システムは、外国人観光客の情報を収集、統合する「マーケティングデータ収集基盤」を中核に、サービス提供用の「越前加賀ナビゲーションアプリ」「施設向けチェックインアプリ」「デジタル情報スタンド」から構成される。
マーケティングデータ収集基盤は、越前加賀エリアを訪れる外国人観光客の属性情報(性別、国籍、年代、旅行目的など)や位置情報などをリアルタイムに収集し、動向を分析するための仕組みを提供する。これらのマーケティングデータを外国人観光客向けの観光施策の立案に活用していく考えだ。
越前加賀ナビゲーションアプリは、外国人観光客に向けのスマホアプリで、マーケティングデータ収集基盤や越前加賀エリアの交通情報との連携により、おすすめの観光情報や周遊ルートの閲覧、各観光名所を巡るスタンプラリーなどの機能を提供する。多言語(日本語、英語、繁体語、簡体語、タイ語)に対応し、オフラインでの情報閲覧も行える。
施設向けチェックインアプリは、観光客を受け入れる事業者向けのアプリだ。指さし会話で外国人との基本的なコミュニケーションができる多言語案内や、越前加賀エリアの観光情報、紹介動画、アンケートの配信などの機能を提供する。
デジタル情報スタンドは、従来は自治体が紙のカタログで陳列していた観光情報を、大型ディスプレイ上にデジタルコンテンツとして表示するもの。画面をタッチして選択するだけで、観光情報の詳細をスマホアプリにダウンロードして閲覧できるため、限られたスペースでさまざまな観光情報を提供できる。人気コンテンツや利用動向などの分析もできるという。
今回のシステムは2017年11月1日から4年間にわたり、運用していく予定だ。
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