続いて登壇したのは、バイク用品の通販サイト「Webike(ウェビック)」を運営するリバークレインの長内裕紀さん。「管理職の手間を減らそうと、経費や交通費などの各種の申請を、プログラミング言語の『GAS(Google Apps Script)』を使って、効率化しようと取り組んだ」そうです。
以前の申請方法は、「申請者がGoogleのフォームを投稿して、スプレッドシートに書かれたものをメールで配信し、その後、承認者がリンクを開いて、対象のシートを探して承認する」というフローで、「かなり面倒だった」(長内さん)と振り返ります。
この課題を解消する方法として長内さんが考えたのは、「HTMLメールに変更する」ことでした。HTMLメールのリンクをワンクリックすることで『承認がOKかNGか』を指定できるようにしたのです。
長内さんは、この仕組みのメリットは「サーバレスで構築しやすいこと、GASが無料で使えること」で、デメリットは「複数人での利用に向いていないところ」と説明。「今後は、Google公式のCLIツール『clasp』を使って、複数人でも使いやすいようにしていきたいと考えています」(長内さん)
続いて登壇したコンサルティング会社の情報システム部に所属する廣田さんは、「スマートフォンを全社員に配布したことで起きたピンチについてお話します」と、LTを始めました。
同社では、これまで管理職の70人ほどにスマートフォンを配布していたそうですが、全社員に配布することが決まり、さらに150人に配ったそう。その結果、管理台数が3倍になり、問い合わせが激増するというピンチに陥ったのです……。
問い合わせで最も多かったのは、「破損と紛失」に関するもの。この対策として廣田さんは、あらかじめ「レンタル契約の際に、壊れてもキャリアに渡せば新しいスマートフォンに追加料金なしで変えてもらえるという契約にするべき」と説明。さらに、紛失対策として、「MDM(モバイルデバイス管理)ツールを搭載しておくことが大事」とアドバイスしました。
廣田さんによると、「社員からスマートフォンの紛失届けが出されたケースもあったものの、MDMツールによって発見され、最終的に紛失したままになったスマートフォンは1台もありませんでした」とのこと。中には、都内でなくしたスマホがなぜか愛知県で見つかって取りに行く羽目になったり、さらに遠くスペインで見つかって、空輸されて戻ってきたケースもあったというから驚きです。
廣田さんは、このスマートフォンの全社導入から得た知見として、「大事なのは、紛失したらとにかく早く報告してもらうこと。その文化を醸成すること」と説明しました。
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