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現代アメリカ文学界を代表する作家、コーマック・マッカーシーが2005年に発表した犯罪小説「血と暴力の国」を、「ファーゴ」などで知られるコーエン兄弟が映画化したサスペンス・ドラマ「ノーカントリー」が、12月5日にスペシャル・コレクターズ・エディションとしてBlu-ray Disc化。
特典は8月8日に発売されたDVD版と同じ。メイキング映像、コーエン兄弟との仕事、保安官の日記などキャストらのインタビューと撮影風景で構成され、計39分を収録。その中で、コーエン兄弟は殺し屋のおかしなヘアスタイルにも言及している。
舞台は1980年代のテキサス。妻とともに貧しい暮らしをしているベトナム帰還兵のモス(ジョシュ・ブローリン)が、荒野で大勢の男の死体と、放置された麻薬と大金を発見する。人生を変えるチャンスとばかりに危険を承知で大金を持ち去るが、これが恐怖の始まりだった。
組織に雇われた殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)は空気銃とショットガンを持って、金に仕掛けられた発信機を頼りにモスの追跡を開始する。一方、法と正義を信じる保安官ベル(トミー・リー・ジョーンズ)は、モスを保護して、暗殺者を捕まえるため、2人の行方を追う。
第80回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞のほか、ハビエル・バルデムが助演男優賞を受賞した。
殺し屋は遭遇した人間をシステマティックに惨殺していき、それを捕まえようとする保安官は成す術がなく無力である。ひたすら静かな展開で、後味の悪さでいえば、最近の作品の中では群を抜いている。だが、静けさの中に、社会の不条理といった恐さも潜む。原題は「ノーカントリー・フォー・オールドメン」。引退を決意している古き良き保安官にとって、もはや居場所(故郷)はないといったところか。
恐いといっても、コーエン兄妹の作品には、いつもどこかにユーモアがある。本作では、オカッパ頭のハビエル・バルデムがそれにあたる。残酷でありながらどこか滑稽(こっけい)な人物造形が強烈な印象を残す。俳優たちの好演も光るオスカー受賞作品、未見の人はBlu-ray Discでぜひチェックしてください。
ちなみにコーエン兄弟監督の最新作はベネチア国際映画祭のオープニングも飾った「バーン・アフター・リーディング(原題)」。ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジョン・マルコヴィッチ共演のクライム・コメディで、全米では9月に公開され初登場No.1を記録。日本公開は来年の予定。
関連サイト:http://www.nocountry.jp/(公式サイト)
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