6月17日(日本時間では6月18日の午前2時頃)から、iPhone OSのメジャーアップデート版、iPhone OS 3.0がダウンロードできるようになった。
iPhone OS 3.0については、すでに3月17日に概要が明らかにされ、6月8日にはより詳しい内容が公開されている。とはいえ、実際にこれまでのiPhone OS 2.2.1と、どんなところがどれだけ変わるのかは、不明な点も多い。そこで、発売から1年近くiPhone 3Gを使ってきたユーザーとして、今回のOS 3.0のアップデートで何がどのように変わったのか、その魅力を改めてお届けしたい。まずは文字入力と編集環境から見ていこう。
iPhone OS 3.0(以下、iPhone 3.0)は、これまでのiPhone向けのアップデート同様、iPhoneユーザーであれば無料でダウンロードできるものだ(iPod touchは有償でのダウンロードになる)。iPhone 3Gから使い始めた日本のiPhoneユーザーにとっては、初めてのメジャーバージョンアップになる。日本では、絵文字などが追加されたiPhone 2.2も大きなアップデートだったが、今回はそれ以上に大幅な機能向上が図られ、進化ポイントも多岐にわたる。
個人的に、iPhone 3.0にアップデートして最も気に入った点は、日本語入力のブラッシュアップだ。
iPhoneの文字入力環境は、PCやMacと比べても、日本の一般的なケータイと比べても、やや不満が残るものだった。タッチパネル上に表示されるソフトウェアキーボードを切り替えることで、ケータイと同じテンキーと、スマートフォンと同じQWERTYキーを選べる点は多くのユーザーに受け入れられていたが、不満な点がいくつもあった。
特に多くのユーザーが不便に感じていたのが、コピー&ペーストができない点だ。
ケータイでもPCでも、URLやメールアドレスなどの文字列をクリップボードにコピーして、必要な部分に貼り付ける、という文字編集方法は日常的に利用するもの。それができないiPhoneでは、電話番号やメールアドレスを、短時間記憶することを強いられるシーンが多かった。それはそれで、いい頭の体操だったかもしれないけれども。
iPhone 3.0の目玉はなんと言ってもカット・コピー&ペーストへの対応だ。カットやコピーをした内容は、アプリをまたいでペーストできる。その操作方法は、「文字列に触れる」というインタフェースを採用している点が面白い。
文字列にカーソルを合わせてもう1度タッチすると、カーソルの上に吹き出しが現れ、「選択」「全選択」「ペースト」と表示される。ここで全選択を選ぶと、文字列全てが選択される。選択を選ぶと選択領域の調整が可能だ。そしてその次の動作である「カット」「コピー」「ペースト」が現れる。ペーストはコピーしてある文字列の置き換えが可能だ。
選択するときと、動作を選ぶときに2種類の吹き出しを出し分けることによって、やりたいことをすぐに実現できるインタフェースになっている。PCなどでよく使うキーボードショートカットやマウスの右クリックとはまた異なる、指一本で連続的な操作をナビゲートしてくれるインタフェースは、自然でシンプルに思えた。
またWebブラウジング中は、もう少し違った動作をしてくれる。例えばブログやニュースサイトの1段落を丸ごとコピーしてメモに保存しておきたい、といった場合は、テキストブロックによる指定も可能だ。この動作は領域指定で、四辺をスライドさせることで選択領域を広げたり縮めたりできる。
PCやケータイに比べても遜色ない、使いやすいコピー&ペースト機能だと感じた。
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