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“超高速”を気軽に持ち運ぶ1台 カシオ“HIGH SPEED EXILIM”「EX-FS10」実機インプレッション

» 2009年07月14日 13時33分 公開
[ITmedia]
photo “HIGH SPEED EXILIM”「EX-FS10」

 カシオ計算機“HIGH SPEED EXILIM”「EX-FS10」は、“HIGH SPEED EXILIM”を冠する同社製品の中で最も薄く、軽量な1台。光学レンズ倍率こそ控えめだが、その分だけ厚みが抑えられており、“超高速連写”を携帯できる。

 「EX-F1」に始まったHIGH SPEED EXILIMシリーズは現在、「EX-F1」「EX-FH20」「EX-FS10」「EX-FC100」と全4機種。いずれも超高速連写/ハイスピードムービーの撮影が最大の特徴だが、連写速度やレンズスペック、撮像素子画素数、サイズなどはそれぞれ異なる。

 静止画の高速連写機能を追求するならば、EX-F1が選択肢として浮上する。EX-F1のデジタル一眼レフのような大柄なボディはグリップ時の安定性が高く、スポーツや野鳥をメインの被写体にするならば好都合だが、“気軽に撮影”というイメージからは遠い。EX-FH20も同様だ。高速連写という面白さを手軽に味わいたいならば、カード型のEX-FC100かEX-FS10を選択することになる。

製品名 最大連写速度 レンズ 撮像素子 サイズ(幅×高さ×厚さ)
EX-F1 60枚/秒 光学12倍 1/1.8型 有効600万画素 高速CMOS 127.7×79.6×130.1
EX-FH20 40枚/秒 光学20倍 1/2.3型 有効910万画素 高速CMOS 122.6×81.4×84.5
EX-FS10 30枚/秒 光学3倍 1/2.3型 有効910万画素 高速CMOS 97.1×59.4×16.3
EX-FC100 30枚/秒 光学5倍 1/2.3型 有効910万画素 高速CMOS 99.8×58.5×22.6

 EX-FS10はレンズ倍率を3倍に抑えた(EX-FC100は5倍)かわりに、シリーズ最薄の厚さ16.3ミリを実現している。他社製を含めた「スリム系コンパクトデジカメ」としては、劇的に薄いとまではいえないものの、十分にスリム。本体重量も119グラムと軽量だ。

photophoto 左右両側面

 背面液晶は2.5型(約23万画素)と、このサイズのデジカメとしては標準的。ただ、ズームレバーが一体型化しているシャッターボタンや十字キーなどのほか、録画ボタン、連写ボタン、ムービーモード切り替えスイッチ、ベストショットボタンなど、ボタン/スイッチ類はかなり多い。確かにボタンが多ければそれらの機能へダイレクトにアクセスできるという利便性はあるが、このボタン類の多さは慣れるまでの少々時間がかかるかもしれない。

 連続撮影については専用ボタンが用意されていることもあり、迷わず利用できる。メインシャッターの隣に用意されているボタンを押すだけで、最大30枚/秒の連写が行える。画素数は6/4/2メガ/VGAの4つから選択できるほか、連写速度(3、5、10、15、30/秒、オート)と連写枚数(5、10、20、30枚)も切り替えられる。

photophoto ボタン類の多い背面(写真=左)、シャッターボタンの左に用意されているのが連写ボタン(写真=右)

 髪をかき上げるしぐさなど連写が生きるシーンで使うのもよいが、ブランコに乗った人など、シャッタースピードを上げないとブレしまう被写体を撮影する際にも威力を発揮する。ただ、光量が十分に確保できない状況で、高速に動く被写体を撮影すると被写体ブレを起こしてしまうこともある。“一瞬を切り取る”撮影を望むならば、屋外の方が成功する確率は高くなる印象だ。

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photophotophotophoto 最大30枚/秒の連写から抜粋。一瞬を切りとる撮影が容易に行えるのが本製品の一番の魅力だ

 そのほか、連写を行い任意の1枚を選択して保存する「スローモーションビュー」や、連写した写真の中から笑顔で写っている1枚をカメラが選出してくれる「いち押しショット」、半押しにて記録を開始することでシャッターを押しきる前の瞬間も保存できる「パスト連写」など、高速連写を生かした撮影機能も備えている。

 動画については、30fpsの通常撮影で1280×720ピクセル)、ハイスピード動画で480×320ピクセル(210fps)、224×168ピクセル(420fps)、224×64ピクセル(1000fps)と4つの撮影モードを備えている。撮影開始ボタンと通常/ハイスピードの切り替えスイッチはそれぞれ独立しており、連写と並んで目玉の機能であることが伺える。

240fpsのハイスピードムービー

(ムービーはこちらからでも参照できます)

 ちなみに本製品と5倍ズームレンズを備えたEX-FC100では、動画撮影時の最大ファイルに関して、EX-FC100は「1回の撮影につき最大4Gバイトまで」、本製品では「1回の撮影につき最大10分まで」と相違点がある。動画撮影を重視するなら、本製品ではなくEX-FC100を選択した方がよい。

 高速連写/ハイスピード動画のいずれも、撮影に関してはスイッチが独立しているので、メニュー画面を降りていったり、撮影モードを切り替えることなく、通常のスナップ撮影と同様の感覚で気軽に撮影できる。ボタンが多く操作に慣れが必要、ベストショットを利用しないと暗所でノイズが乗りやすいなど気になる点もあるが、超高速撮影で“デジタルのカメラらしさ”を十分に体験させてくれる1台だ。

作例

photo 昼下がりのカフェで。1/80秒 F3.9 ISO 160
photo 顔認識も迅速。1/100秒 F4.5 ISO 100
photo ベストショットの「夜景」ではなくオートで撮影。ISO感度は400に収まったが粒状感が残る。1/3.3秒 F3.9 ISO 400

モデル:工藤杏(くどうあん)

テレビ・映画を中心に活動。出演映画「銀の鈴」も公開中。

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