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ラジオやアンプを取り込んだBDレコ、“RyomaX”(リョーマックス)見参まさにオールインワン(2/2 ページ)

» 2010年12月16日 21時00分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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ビクターとケンウッドのオーディオ&DSP技術を投入

 オーディオ機能としては、CDの再生やFM/AMラジオにくわえ、CDをリニアPCMやMP3に変換して(リッピング)、HDDに蓄積することも可能だ。内蔵アンプは信号入力から最終段までフルデジタル処理の2ch構成で、4〜16オームのオーディオ用スピーカーをそのまま利用できる。もちろん内蔵アンプはテレビ視聴や動画再生時にも利用可能だ。

背面端子。スピーカー端子やサブウーファー用のプリアウトを備えているのが最大の特長。B-CASカードスロットも背面にある

 また、ビクターとケンウッドが持つDSP技術を投入。最高24bitまでのビット拡張と最大4倍のオーバーサンプリング処理を同時に行い、音場の広がりと厚みを増やす「HRS+」(High Resolution Sound +)や2本のスピーカーでバーチャルサラウンドを楽しめる「3Dフォニック」といった機能を搭載した。

 そしてオーディオとビジュアルの融合を目指す同機ならでは、といえる機能が、新しいユーザーインタフェース。リモコンには大きな「A」と「V」のボタンが配置され、それぞれオーディオとビジュアルのスタートメニューが表示される仕組み。録画、ラジオ録音、イコライザーによる音質調整なども直感的に操作できるように配置されている。

リモコンには「A」(Audio)と「V」(Visual)のボタンを分かりやすく配置した。下部フラップ内には「HRS+」や「3Dフォニック」のボタンも用意している

リモコンの「A」キーでオーディオ系、「V」キーでビジュアル系のスタートメニューを表示する直感的なユーザーインタフェースを実現。コンテンツの入り口を集約した

オーディオ関連の設定画面。同社製スピーカーの特性に合わせたメニューや、「デュアルモードイコライザー」を装備。デュアルモードとは、映像と音楽それぞれに好みの設定を適用できるというもの。音声のほうには「ポップス」「ジャズ」といったジャンル別の設定にくわえ、AMラジオを聴きやすくする「AMラジオ」という選択肢も用意している

ネットワークを利用した新しいラジオ

 前述のMELINKは、金沢工業大学が主催する新メディア・プラットフォーム協議会(2011年1月設立予定)が始める新しい音声情報サービスだ。インターネットを利用してAM/FMラジオのサイマル放送(難聴取対策)を行うほか、SD解像度のFlash動画や静止画・テキストによる付加情報をテレビ画面に表示できるのが特長。リッチな画面付きのラジオを楽しめる。

 さらに視聴地域を限定する機能を持っているため、ラジオのローカル局と同様に地域密着型の広告を流すことも可能だ。「付加情報は、コンテンツの運営体が独自にハンドリングできる。QRコードを使って携帯電話との連携や物販という展開も検討している」(同社)。

ラジオのサイマル放送を行う「サイマルチャンネル」と「専門チャンネル」が提供される。動画や静止画を組み合わせたリッチな情報が特長で、QRコードを表示してモバイル連携や物販につなげるサービスも検討中

専門チャンネルの例。写真はJFCCがデモ用に提供した「ファッションチャンネル」

 新メディア・プラットフォーム協議会は、6〜8カ月後をめどに事業会社化する見込みだ。発表会のデモコンテンツは、エフエム東京や横浜エフエム放送、JFCC(ファッションTV)、エス・エス・エム(OH! Mikey)、ビクターエンタテインメントが提供。「コンテンツ事業者向けのシステムは低コストで構築できる。ローカルラジオ局はもちろん、地方自治体や観光協会などにも新しいメディアを提供できる」(同社)という。

 一方、加賀電子やアイ・オー・データ機器、プラネックス・コミュニケーションズといったPC周辺機器メーカーもパートナーとして名前が挙がっている。対応ラジオチューナーなどハードウェアを発売する見通しだという。


 JVC・ケンウッド・ホールディングスの前田悟常務は、オーディオとビジュアルを融合する新カテゴリー“RyomaX”を、国内のみならず海外にも積極的に展開する構えだ。「2011年1月のCESにRY-MA1を出品し、将来的にはラインアップを広げて海外市場にも展開する。われわれの事業の大きな柱になるだろう」(前田氏)。

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