オーディオ機能としては、CDの再生やFM/AMラジオにくわえ、CDをリニアPCMやMP3に変換して(リッピング)、HDDに蓄積することも可能だ。内蔵アンプは信号入力から最終段までフルデジタル処理の2ch構成で、4〜16オームのオーディオ用スピーカーをそのまま利用できる。もちろん内蔵アンプはテレビ視聴や動画再生時にも利用可能だ。
また、ビクターとケンウッドが持つDSP技術を投入。最高24bitまでのビット拡張と最大4倍のオーバーサンプリング処理を同時に行い、音場の広がりと厚みを増やす「HRS+」(High Resolution Sound +)や2本のスピーカーでバーチャルサラウンドを楽しめる「3Dフォニック」といった機能を搭載した。
そしてオーディオとビジュアルの融合を目指す同機ならでは、といえる機能が、新しいユーザーインタフェース。リモコンには大きな「A」と「V」のボタンが配置され、それぞれオーディオとビジュアルのスタートメニューが表示される仕組み。録画、ラジオ録音、イコライザーによる音質調整なども直感的に操作できるように配置されている。
前述のMELINKは、金沢工業大学が主催する新メディア・プラットフォーム協議会(2011年1月設立予定)が始める新しい音声情報サービスだ。インターネットを利用してAM/FMラジオのサイマル放送(難聴取対策)を行うほか、SD解像度のFlash動画や静止画・テキストによる付加情報をテレビ画面に表示できるのが特長。リッチな画面付きのラジオを楽しめる。
さらに視聴地域を限定する機能を持っているため、ラジオのローカル局と同様に地域密着型の広告を流すことも可能だ。「付加情報は、コンテンツの運営体が独自にハンドリングできる。QRコードを使って携帯電話との連携や物販という展開も検討している」(同社)。
新メディア・プラットフォーム協議会は、6〜8カ月後をめどに事業会社化する見込みだ。発表会のデモコンテンツは、エフエム東京や横浜エフエム放送、JFCC(ファッションTV)、エス・エス・エム(OH! Mikey)、ビクターエンタテインメントが提供。「コンテンツ事業者向けのシステムは低コストで構築できる。ローカルラジオ局はもちろん、地方自治体や観光協会などにも新しいメディアを提供できる」(同社)という。
一方、加賀電子やアイ・オー・データ機器、プラネックス・コミュニケーションズといったPC周辺機器メーカーもパートナーとして名前が挙がっている。対応ラジオチューナーなどハードウェアを発売する見通しだという。
JVC・ケンウッド・ホールディングスの前田悟常務は、オーディオとビジュアルを融合する新カテゴリー“RyomaX”を、国内のみならず海外にも積極的に展開する構えだ。「2011年1月のCESにRY-MA1を出品し、将来的にはラインアップを広げて海外市場にも展開する。われわれの事業の大きな柱になるだろう」(前田氏)。
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