また、アナログとデジタル入力を持つことから、高品位な録音デバイスとしても活用できる。音楽再生だけでなく、サウンドミキシングやデスクトップオーディオ用のプリアンプとしても使える多機能さが重宝する。
ヘッドフォン出力は、バランス接続(左右で別のヘッドフォン出力を利用する方法)も考慮たためか、計2系統を用意する。インピーダンスは600オームまで対応するので、能率の低いヨーロッパメーカー製高級ヘッドフォンなども対応可能だ。
操作性もかなり良好だ。電源から、入力切り替え、ボリュームまですべてフロントパネルに集中しており、迷わず分かりやすい配置となっている。入力切り替えのトグルスイッチなどは少々クラシックな印象を受けるが、これはDR.DAC2シリーズがもともとパーソナル向けスタジオ機器(今風にいえばDAW・Digital Audio Workstation:PCを中心にしたオーディオ制作環境)用途を意識した製品だからだ。金属製のボディを含め、質感(=個人的な所有満足度)はかなり高いと思える。
分解能が高く、ていねいで密度感の高いサウンドだったDR.DAC2レギュラーモデルに対し、DR.DAC2 DX TEは解像度感をそのままにキャラクターが一変し、ダイナミックでスピーディなサウンドへと生まれ変わっていた。
特に低音の解像度感が格段に高まっており、芯がとても強い。ドラムのスネア、バスドラともにキレがよく、リズミカルで、グルーブ感の高い演奏を堪能できた。一方で音のクリアさやダイレクト感もかなり向上しており、くぐもった感じがない、ベールを数枚剥いだかのような清々しいサウンドを聞かせてくれる。おかげで、いつもより歌声が、演奏が、数段印象的に感じられる。これはいい。
DR.DAC2 DX TEは、まさに“トップエディション”の名にふさわしいDR.DAC2シリーズ最高峰のモデルだ。この先も、これを超える別バージョンはそうそう作り上げられるものではないと思う。500台の限定モデルのため、気になる人は早めに購入検討することを勧めたい。
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