「番組やCMで『詳しくは○○で検索!』といったシーンでも、『いいね!』ボタンを押しておけば、後でスマートフォンやPCから詳しい情報を簡単に参照できる。キャンペーン情報やクーポン券の入手といった応用も検討中。テレビからネットへの新しい視聴スタイルを提案したい」。
また、すでに個人情報が登録されているFacebookを使うことで、番組中の視聴者プレゼントにも簡単に応募できるという。「リモコンの赤ボタンを押すだけで応募、その番組の中で当選発表を行うことも可能だ。ほかにも番組中で投票を受け付けたり、クイズに回答したりと、参加型のサービスが実現できる」。
日本テレビが「JoiNTV」を開発した主目的は、テレビのリアルタイム視聴を増やすことだ。ソーシャルネットワークで番組の情報が拡散すれば、視聴者の増加も期待できる。と同時に、テレビ局が持つメタデータを視聴者に提供することで、今後はさまざまなサービスを提供するチャンスが生まれるという。
JoiNTVを企画した編成局メディアデザインセンターメディアマネジメント部の安藤聖泰氏は、「既存のスマートテレビでも、アプリなどの形でFacebookは用意されているが、横で見ているテレビ番組と直接の関係はない。ネットとテレビに距離があった」と指摘する。メタデータの活用によってテレビとソーシャルネットワークを関連づけることで、新しい利便性を提供できるという。「テレビ局だけが、これから何が放送されるのかを知っている。このメリットを視聴者やスポンサーに還元していきたい」(同氏)。
日本テレビではまず、火曜深夜に放送しているIT情報番組「iCon」(アイコン)で「JoiNTV」の実証実験を行う。対象となる放送は、3月13日(25時44分〜)、20日(26時09分〜)、27日(25時49分〜)の3回。事前登録は3月6日にスタート。登録方法などの詳細は、「JoiNTV」のサイトを参照してほしい。
「今回の実験は、まだ“フェーズ0(ゼロ)”の段階。今後はFacebookだけでなく、ほかのSNSあるいは独自のサービスと連携することも考えていく。またスマートフォンやタブレットを活用する、いわゆる“ダブルスクリーン”への展開も想定している」(安藤氏)。
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