入力系は、USB(デジタル)、アナログRCA×2、ライン(ステレオミニジャック)×1の、合計4系統を用意する。フロントパネルには左に入力セレクター、右にボリュームの調整つまみがある。メインの電源スイッチは、本体でなく外付けの電源ユニット側に備わる。
出力系は、フロントのヘッドフォン出力のほか、リアにアナログRCA×1を用意する。このRCA出力はヘッドフォン出力と排他ではなく、本機でのボリュームコントロールが可能である半面、ヘッドフォンを接続しても音は出るままの仕様となる点は若干注意したい。ヘッドフォンからのみの出力にしたい場合は、RCAに接続したパワーアンプ(など)の電源を切る/ボリュームを絞るといった作業が必要がある。
ヘッドフォンに関しては、ヨーロッパブランドのハイインピーダンス製品も対応可能とするよう、背面のスイッチによりインピーダンスをロー(32オーム)/ミドル(120オーム)/ハイ(300オーム)の3段階に切り替えられる。モニターヘッドフォンのAKG「Q701」(インピーダンス:62オーム)で試したが、“ミドル”の位置でしっかり対応できたので、たいていの製品においても問題はないと思う。
真空管の交換も可能なようだ。本体の裏ふたを外し、基板の中央にあるネジを外すと真空管上側のカバーが外れるようになっている。
では試聴しよう。
サウンドの傾向は、真空管ならではの柔らかさと心地よい響きを持ちつつ、カッチリしたキレのよさもある。そのバランスはかなり良好だ。アコースティックギターなどが顕著で、カッティングの切れは鋭いが、胴鳴りの響きは柔らかで心地よいという、何とも絶妙で気持ちよく聴けるサウンドに仕上がっている。
また、外付けとした電源ユニットが功を奏したのか、S/N感も悪くない。音のニュアンスをかなり細やかに感じ取れるのに驚いた。特に魅力的に感じるのが女性ヴォーカル。少しハスキー気味になる傾向はあるが、なまめかしい肉感をしっかり感じられるようになる。
より生き生きとなる歌声により、聞き慣れた歌・アーティストの違った魅力を発見する──。DN-68351はそこそこ手ごろな価格ながら、そんな魅力的な音楽の楽しみ方を実現できる1台だ。
音質評価 | |
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解像度感 | (粗い−−○−−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−○−−−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−−○−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−○−−質感重視) |
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