東芝は5月29日、液晶テレビ“REGZA”(レグザ)の新製品として、「ゴルフモード」搭載の「50G5」を発表した。同日、都内で催されたデビューイベントには、プロゴルファーの金子柱憲さん、ゴルフ番組に出演しているタレントの森下千里さん、芹澤信雄プロの実兄でタレントの芹澤名人さんが登壇し、レグザとゴルフについて熱いトークを繰り広げた。
「50G5」は、映像設定の「コンテンツモード」に「ゴルフ」を加えた初の液晶テレビだ。これを選択すると、画面内の緑を検出して専用の映像処理が働き、「芝の立体感が際立ち、アンジュレーションや順目/逆目の状態まで見えてくる。高麗・ベントグリーンの違いも分かる」(本村氏)という。グリーンに限らず、フェアウェイやラフの状況もリアルに再現されるため、ツアー中継などを「プロと同じ目線で観戦できる」のがポイントだ。
一方、屋外で撮影されるゴルフ番組は、明るい日差しの中で白いゴルフウェアや手袋が白トビしてしまうことも多い。このため、ゴルフモードでは、「ゴルフウェアの素材やボールのディンプルまで見えるように調整する」。また肌色の質感表現も向上し、選手の表情も鮮明に見えるという。「テレビは本来、リーンバック(後傾)の姿勢で、ゆったりとくつろぎながら見るもの。であれば、ゴルフもいいと思った」と本村氏。「50G5の“G”は、ゴルフのG、グリーンのGです」(本村氏)。
また、ゲストととして登場したAV評論家の藤原陽祐氏は、開口一番「ゴルフモードなんて、ブラウン管時代を含めて聞いたことがない。企画した人は、相当なゴルフ馬鹿ですね」と、企画した本人を前にばっさり。「しかし、芝を見やすくするなら、普通は画面を明るくする方向で考えるもの。そうではなく、質感を出すための処理を入れてくるところがレグザらしい」(藤原氏)。
おなじみのUSB外付けHDD(別売)への録画機能も、ゴルフ観戦には役立つ。例えば番組検索で「ゴルフ」をキーワード登録しておくと、いつでも1週間分のゴルフ番組を一覧表示。ウィークデーは仕事に忙しいお父さんたちも、週末にまとめて予約できる。また、ゴルフ専門チャンネルが視聴できる場合は、チャンネル別の番組表を活用して8日分を一括チェックすれば、数日間にわたって放送されるトーナメントも見逃すことはない。もちろんシリーズ番組を毎回予約録画してくれる「連ドラ予約」でゴルフのレッスン番組は確実にゲット。リモコンの「10秒戻る」ボタンを活用すれば、フォームのチェックも容易になる。週間番組表以外は新機能ではないものの、ゴルフに着目するだけでさまざまな活用法が出てくるようだ。
もう1つ重要なのは、「50G5」に「ファミリーレグザ」というペットネームが与えられていることだろう。これは、録画機能に「マイフォルダ」機能が追加されたため。「おとうさん」「おかあさん」「ぼく」といった分かりやすいフォルダ名が用意され、予約時に自分のフォルダを指定すると、録画番組を簡単に整理・管理できる仕組みだ。
「実は、店頭ではあまり“ゴルフモード”をアピールすることはしません。お父さんがほしいと言っても、決めるのはむしろ奥様。レグザがほしいといっても、『またゴルフ?』みたいに言われてしまう」(本村氏)。
そこで、店頭では「ファミリー向け」を全面に押し出し、ゲームの遅延を抑える「ゲームモード」や、アニメ向けの画質設定「アニメモード」で子どもたちの支持を得る。一方、奥様には「福山雅治さんがCMをやってるテレビ」という甘い言葉で親近感を高め、財布のひもを緩くするという作戦だ。結果として、お父さんの意見が通りやすくなる、らしい(保証はありません)。
実は、緻密(ちみつ)なマーケティング戦略の元に開発されていたゴルフモード搭載の“ファミリーレグザ”「50G5」。6月下旬にオープンプライス(店頭予想価格20万円前後)で店頭に並ぶ予定だ。ゴルフ好きのお父さんは要チェック。
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