ITmedia NEWS >

明るくなった「シネマ」モード、ソニー「VPL‐HW50ES」登場普及機にも超解像技術

» 2012年08月31日 18時22分 公開
[ITmedia]

 ソニーは8月31日、ホームシアター向けフロントプロジェクター「VPL‐HW50ES」を発表した。フラグシップ機「VPL-VW1000ES」の技術を投入した普及モデル。10月25日に発売する予定で、価格はオープン。店頭予想価格は33万円前後となっている。

「VPL‐HW50ES」はホワイトとブラックの2色

 倍速駆動対応の0.61型SXRD(Silicon X-tal Reflective Display)を搭載したミドルレンジ機。従来機「VPL-HW30ES」と同じ“3Dレディー”のフルHDモデルながら、従来は別売だった3Dシンクロトランスミッターを本体前面下部に内蔵したほか、「データベース型超解像処理LSI」など4K対応のフラグシップモデル「VPL-VW1000ES」のエッセンスを投入。上位機にあたる「VPL-VW95ES」と比べても、「大きな違いは電動ズームと光学系程度」というコストパフォーマンスの高いモデルに仕上げた。

赤外線トランスミッターを本体に内蔵(右)

 超解像技術の「リアリティークリエーション」は、映像のパターンを検出し、独自のアルゴリズムでデータベースから最適なパターンを照合、ピクセルマッピングによる高品位化を図るというもの。手順はVPL-VW1000ESと同じだが、フルHDパネルの今回はコンテンツの編集や放送伝送時の圧縮によって欠落した情報を補完することがコンセプトとなっている。

リアリティークリエーションのオン/オフ

 画質優先の映像モードとなる「シネマ」が明るくなったことも大きな特長。ランプは従来機と同じ200ワット高圧水銀ランプだが、反射板の形状を変えて光の無駄を削減するなど、細かい部分に手を加えた。また、入力映像を解析し明るさに応じてランプから投射する光の量をアイリス(絞り)で自動制御する「アドバンストアイリス3」のアルゴリズムを改善。シネマモード時で従来機(VPL-HW30ES)にくらべ輝度が約50%向上させている。ダイナミックコントラストは、VPL-HW30ESの7万:1から10万:1へとジャンプアップした。

 同社によると、人間の目は緑に対する感受性が高いため、他社製品では映像のグリーン成分を強めることで明るさを確保することが多いという。しかし、それでは白いものが緑がかって見えるなど画質上の弊害も多い。「HW50ESでは、光学パーツ、信号処理の見直しにより明るさを効率的に確保して輝度をアップした。グリーン成分を増やすといった手法によらず明るくできたため、例えば白を白く映し出すことができるなど、画質的なメリットが大きい」と話している。

 さらに新機能として、シーン毎の信号成分をリアルタイムに分析し、階調、コントラストを最大限に引き出せるように明部・暗部のレベルを自動的に補正する「コントラストエンハンサー機能」を搭載。シーンに関わらずメリハリの効いた映像を実現した。

プリセットのピクチャーモード(左)。コントラストエンハンサーは4段階で調整可能(中、右)

 ユーザーによる調整が柔軟に行える点もユニーク。ガンマやカラースペース、色温度設定のほか、パネルゾーンアライメントといった“VW”型番の上位機に匹敵する調整機能を備えた。このほか、冷却エアフローシステムにも手を加え、ファンを低回転化。風切り音と駆動振動を抑え、駆動時の騒音を約21dBまで落としている。

ガンマ、カラースペース、色温度などを調整可能。さらにパネルゾーンアライメントは、従来VW型番の上位機にしか採用されていなかった設定項目となる

 HDMI入力は2系統で、ほかにコンポーネント、アナログRGB(D-sub 15ピン)などを備えた。本体サイズは407.4(幅)×179.2(高さ)×463.9(奥行き)ミリ。重量は約9.6キログラム。

接続端子(左)。付属のリモコン(中、右)

→「VPL-HW50ES」をソニーストアでチェックする
データベース型超解像技術による目の覚めるような鮮鋭映像。さらに豊潤な色再現と高輝度化を両立した、新・高画質モデル。価格は32万8000円(税込/予定)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.