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家族で使える全録マシン、パナソニック「DMR-BXT3000」を試す(3/3 ページ)

» 2013年02月22日 18時20分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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最初は戸惑うかも? ダビング機能

 ダビングに関しては、ちょっとした予備知識が求められる。ダビングしたいとき、最初に起動するであろう「スタートメニュー」の「ダビング」項目では、通常録画領域にある番組しかリストアップされず、チャンネル録画した番組を(そのままでは)ダビングできないのだ。

スタートメニューの「ダビング」。ここで録画先にBDを指定すると元データのダビング回数が1回減り、BD側にコピーネバーの録画ファイルがダビングされる。また、ダビング先にUSB外付けHDDを選ぶと、ダビング回数を保持したままのムーブになる。録画番組に複数チェックを入れると一括ダビングが行えるといった仕様は従来のDIGAと同じ。ただし、ここでチャンネル録画番組を選ぶことはできない

 では、チャンネル録画した番組はどうすればいいか。「チャンネル録画一覧」を開き、目的の番組を選択した状態で、赤い「ワンタッチ予約/録画」ボタンを押す。すると、標準状態では内蔵HDDの通常録画領域にダビングされる仕組みになっている。

 通常録画の録画一覧を見ると、ダビング残回数表示が「9」の番組が増えていた。チャンネル録画でもまだ視聴する可能性があるので、チャンネル録画領域にも番組を残しているのだろう。もちろん、通常録画領域にダビングしておけば、前述のダビングメニューからBDやUSB-HDDにもダビングが行えるし、編集作業も可能になっている。

 一方、チャンネル録画番組を通常録画領域に移さず、直接BDに保存することもできる。「チャンネル録画一覧」で「サブメニュー」を起動し、「ダビング予約の設定」を開くと、ダビング先や持ち出し番組の作成オン/オフを変更できるのだ。ダビング先は、「HDD」(通常録画領域)、「USB-HDD」「BD」の3つから選択可能。BDに保存するか、USB-HDDに退避させるかは、録画した番組によって異なるため、録画ヘビーユーザーにとっては、いちいち設定画面を開いて切り替えるのは少し煩雑だ。むしろ録画ボタンを押したときにダイアログが開き、ダビング先を選択できるくらいの仕様のほうがありがたい。

「ダビング予約の設定」からチャンネル録画番組のダビング先をBDやUSB-HDDにできる

 ただ、家族で使うケースを考えると、デフォルト設定は結構使いやすいと感じる。あまり詳しくない人にとって、全録機で一番理解しにくいのは、一定の時間が過ぎると“自動的に録画番組が消去されていく”ことだろう。そこで、退避場所をUSB-HDDなりに設定しておき、家族には「過去番組表で赤いボタンを押せば、自動的に消されることはない」と伝えておけばいい。いったん通常録画領域やUSB-HDDに移しておけば、編集やBDへのダビングといった作業が従来のディーガと同じ感覚で行えるため、すでにディーガのある家庭なら理解も早いだろう。事実、数年前から「DMR-BW950」と同居しているわが家では、この方法で“全録マシン”を家人に納得してもらうことができ、返却日には「寂しい」と言わしめることに成功した(購入フラグ立った!?)。

 まあ、こちらとしてはあまり家人に録画機の設定をいじってほしくはないので、「実は多機能だけど、シンプルに使うこともできる」という仕様は実にありがたい。全録といってもマニア向けではなく、家族でも使いやすい仕様になっているあたり、いかにもパナソニック製品といえそうだ。

買い替えではなく、買い増しがおすすめか

 進化の途上にある全録機のレビューでは、どうしても注文が多くなりがちだ。BS/CS110度に対応し、長時間録画モードやオートチャプターも使える「DMR-BXT3000」は、いくつものブレークスルーをもたらしてくれたが、それでも要望はわいてくる。

 まずはやはり、チャンネル録画でもDRモードを使えるようにしてほしい。最初はWOWOWを常時録画できることにうかれていたが、いざお気に入りの映画が放送されると「保存用にDRモードで」とか思ってしまう。もちろん、通常録画ならDRモードも選択できるのだが、ここに落とし穴があった。勘のいい人なら、冒頭のB-CASカードスロットを見ただけで察したかもしれない。チャンネル録画と通常録画は異なるB-CASカードを使うため、両方でWOWOWを録画するなら契約済みのB-CASカードが2枚必要になるのだ。

大事なことなので、もう1度、写真を掲載しておこう

 ほかにも、外付けHDDをチャンネル録画領域に使えるようにしてほしいとか、全録のチャンネル数を増やしてほしいなど、要望を書き出したらキリがない。録画機は進化を続けるので、自分の録画に対するニーズと、機器の仕様を照らし合わせて買い時を見極めたい。

 ただ、1つ感じたのは、従来のBDレコーダーのリプレース(買い替え)として全録機を選ぶとアテが外れるかもしれない、ということ。例えば、ドラマやアニメなど、複数のシリーズ番組をきっちり全話録画したいのなら、従来型で複数チューナーを搭載したものがいい。全録機で過去番組表から目的の番組を探し、いちいち消されないように退避させるのは面倒だし、番組ごとのフォルダ分けなど、従来型のほうが便利な面も多い。「いつでも見られる」と「いつまでも見られる」は違うのだから。

 一方、面白そうな番組を発掘したり、大量に録画した番組を活用することに魅力を感じるのであれば、全録機は手放しでオススメできる。同じ録画機でも用途が異なるので、従来型のBDレコーダーは手元に残したまま、買い増しにするのが正解ではないだろうか。

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