BD映画向けには、4K撮影や4Kリマスターが持つ情報量を生かしつつ4Kに再構成する専用モード「高解像度シネマモード」を設けた。コンテンツモードの設定でこれをオンにすると、入力画像バッファに非圧縮12bitキャプチャーすることでテクスチャーの再現性を向上し、クロマフォーマットはすべて4:4:4で処理。非巡回型3次元YNRをオフにすることで、動きのあるシーンでテクスチャーボケの発生を抑えるという。「リアリティーは増すが、ノイズリダクションは弱めになる」(同社)。
なお、同社が4Kビデオカメラで撮影した映像を用い、BDにダウンコンバート収録したもの(4Kシネマシステムで再生)とオリジナル4K映像を比較したところ、約90%にあたる2740本の水平解像度が復元できたという。東芝の本村氏は、「ネイティブ4Kの映像とシネマ4Kシステムの再生映像、片方だけを見せられても、どちらとは即答できないと思う」と自信を見せた。
「4Kアクティブスキャン240」は、映画でも毎秒120コマのなめらかな映像を楽しめるというもの。前後の画像から補間フレームを生成し、またバックライトスキャンを含むバックライト制御で残像感を低減する仕組み。またフルHD映像でも補間フレーム生成の精度が向上しているという。
このほか、4K映像をリアルタイムに解析しながら階調補正を行う「4Kダイナミック階調補正」、4K対応のPCゲームプレイ時に遅延時間を約0.95フレーム(約31.7ミリ秒)に抑える「4Kゲーム・ターボ」、デジタル一眼レフカメラで撮影した高精細映像を4K解像度で映し出す「4K写真モード」など、映像処理とコンテンツがすべて4Kを想定したものに刷新された。なお4K写真モードはSDメモリーカードやUSB機器、DLNA(NASに保存した写真)など、使用法も多彩だ。
“全録”機能の「タイムシフトマシン」、ユーザーの好みに合わせて番組をピックアップしてくれる「ざんまいプレイ」、クラウドを活用して見どころを探す「TimeOn」といった録画・再生関連の機能は「Z7シリーズ」をほぼ踏襲した。ただし、USB 3.0対応の外付けHDDを使い、6チャンネルまでの放送を常時録画。保存された番組の中から、。
異なるのは、テレビの背面に一体化する東芝純正のUSB外付けHDDに4.5Tバイト版「THD-450T1」が追加されたこと。これを使えば、6つのチャンネルを約80時間、常時録画できる。なお、HDDの形状は従来機と同じのため、Z7シリーズに取り付けることも可能だ。
まったく新しいネットワーク機能として、2013年中にNHKが試行を予定している放送・通信連携サービス「Hybridcast」(ハイブリッドキャスト)を正式にサポートしたことが挙げられる。放送番組の内容に沿った形で詳細情報を確認したり、番組に参加するといったことが可能になる。
「従来のデータ放送同様、dボタンでトップ画面が表示される。しかし、放送波ではなく通信で情報を持ってくるため、操作感がかなり違う(軽い)。NHKアーカイブスなどの検索はクラウド上で処理されるため高速。オンデマンドバングの視聴などにも活用できるだろう」(東芝)。
もう1つの新機能は、大画面テレビならでは。全画面が必要ないときに表示面積を縮小する「ミニ画面モード」を用意している。オンにすると、画面中央下側に1/4相当の画面を表示する仕組みで、84V型なら42V型相当、65V型は32V型相当、58V型では29V型相当の映像を表示する。「ニュースや天気予報など、大画面を必要としないときに便利」という。なお、ミニ画面モード時は、表示画面の周囲でバックライトの輝度を下げ、消費電力を通常より約30%削減できるという。
外観は、狭額縁のスリムミニマルデザイン。スピーカーは画面の下に下向きに取り付けられている。58V型は左右に1つずつ、65V型と84V型は2つずつ、楕円(だえん)形のフルレンジスピーカーを搭載。総合40ワット(58V型は20ワット)のアンプで駆動する仕組み。狭いサイズながら、屈折型ポートを備えたバスレフボックスを設け、深みのある低域再生を可能にしたという。
先に登場したソニーのブラビア「X9200Aシリーズ」のように音に注力したライバル機も登場したが、東芝では「買い替え需要に対してサイズアップの提案をするため、フレームはミニマルでなければならない。その代わり、REGZA ENGINE CEVO 4Kが制御する“骨太の音響処理”を加えた」と話している。
型番 | 58Z8X | 65Z8X | 84Z8X |
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画面サイズ | 58V型 | 65V型 | 84V型 |
3D対応 | アクティブ方式 | パッシブ方式 | |
実売想定価格 | 50万円前後 | 75万円前後 | 168万円前後 |
発売時期 | 6月下旬 | ||
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