西日本電信電話(NTT西日本)は6月19日、家庭用セットトップボックス「光BOX+」の新製品「HB-1000」を発表した。6月25日から西日本エリアで販売を開始する。価格は8800円(回線料金は別)。
昨年発売した「HB-100」の後継機。デュアルコアの「Cortex-A9」にAndroidベースのOSを組み合わせたもので、アプリは同社の運営する「光アプリ市場」のみで提供される(現在は約30種が登録済み)。
新製品では「あらゆる世代に親しまれる」(同社、村尾和俊社長)をコンセプトにユーザーインタフェースを強化。ホーム画面の壁紙を親しみやすい「木目調」とし、読みやすさ向上のためにモリサワのユニバーサルデザインフォントを採用している。付属のリモコンは、「野球ボールのような持ちやすさを目指した」という卵形で、十字キーなど最小限のボタンを大きく配置した。
メインターゲットは、PCに慣れていないユーザー層だ。テレビの“受動的な情報デバイス”という性格に合わせ、「パッシブなネット利用」を提供する。例えばホーム画面で一定時間操作を行わないと自動的に「MOVIE SCREEN」アプリが立ち上がり、さまざまなジャンルの動画コンテンツをランダムに表示する仕組みになっている。動画は15秒ごとに切り替わり、「ユーザーが自然にコンテンツに出会うことを演出する」(同社)という。映像を表示しているときにリモコンの決定キーを押せば、対応アプリが立ち上がって映像の再生を開始する仕掛けだ。
HDMI CECに対応し、光BOX+からテレビの制御が可能になった点も新しい。これを活用するのが、アールシーソリューション提供のアプリ「ゆれくるコール」だ。気象庁が発した緊急地震速報を受信すると、光BOX+のLEDが点滅して知らせるほか、テレビを起動して大きな文字と音声で警告する。「電源オフのテレビを起動して地震の到来を知らせる機能は珍しい」(同社)。なお、HDMI CEC非対応のテレビを接続する場合などを想定し、本体にUSB接続したアクティブスピーカーから音声を出すことも可能になっている。
また、「見守りアプリ」(仮称)は、テレビの電源オン/オフを検知して登録したアドレスにメールを送信するというもの。簡易的な見守りサービスとして利用できる。
もちろんAV系の機能も用意。パケットビデオ提供の「Smart Play」は、スマートフォンで広く使われている「Twonky Beam」の“姉妹アプリ”。DLNA/DTCP-IP対応のプレーヤー(DMP)として機能するほか、スマホのTwonky Beamから“ビーム”(再生指示)したコンテンツを再生するレンダラー(DMR)としても使えるという。
フェイスの「FaRao」(ファラオ)は、三菱電機との協力で開発された音楽情報アプリだ。三菱のBDレコーダー一体型テレビ“REAL LASERVUE”「LSR4シリーズ」と「光BOX+」を接続し、テレビのBDドライブに音楽CDを入れると、テレビ画面が光BOX+に切り替わり、画面の中央に歌詞を、その周囲にアーティストやライブといった関連情報が自動的に表示される。テレビ側で読み取ったCDの固有情報(ISRC:International Standard Recording Code)をHDMI経由で取得する仕組みだという。
スマートフォン連携機能も用意している。スマートフォンに専用の「光BOX+リモコン」アプリを導入すると、STBのリモート操作やスマホの音声認識機能を利用した文字入力が可能になる。またNTT西日本が提供する「動画チャンネル」専用のコントローラー機能も用意。手元のスマートフォンでコンテンツを選択し、テレビ画面で再生できる。
NTT西日本では、8月下旬をメドにサービス事業者向けにスマホリモコンの開発キット(SDK)を提供し、対応サービスの拡充を図る方針だ。なお、HDMI CECを利用するアプリ、および高い処理能力が求められる「MOVIE SCREEN」アプリ以外は、従来機「HB-100」でも利用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR