オンキヨーが、より手軽な視聴手段として注目しているのが、ヘッドフォンとBluetoothなどを使ったワイヤレススピーカーだ。同じギブソンブランド傘下にあるWOOX Innovationsとの協業により、ヘッドフォンやワイヤレススピーカーの共同開発を行っている。WOOXはもともと蘭フィリップスの音響機器事業を担っていた企業で、ワイヤレススピーカーの分野では世界的な地歩を築いている。
さらに宮城氏によると、ワイヤレススピーカーのハイレゾ対応、および世界展開についても「視野に入れている」という。今のところ、Blueotoothでハイレゾ音源をそのままワイヤレス伝送することはできない。ソニーの新コーデック「LDAC」にしても、96kHz/24bitにコンバートした音源にロッシー圧縮を施して伝送する仕組み。完全に元に戻すことはできず、音質は通信状況にも大きく左右される。
オンキヨーでは、LDACも「選択肢の1つ」としながら、英Meridian Audioが昨年末に発表した「MQA」の検討を進めていることも明らかにした。MQAは人の聴覚心理に着目した新技術で、リアリティーあふれる音でありながらファイルサイズを従来の半分程度に抑えられるのが特長(→関連記事)。BluetoothやWi-Fiといった既存の無線技術を使用することを前提にしているオンキヨーにとって、伝送速度を下げることのできるMQAは好都合だ。
また、ワイヤレススピーカーのほかにも、年内にMQA対応機能を「HFプレーヤー」に組み込む方針を明らかにした。「MQAは新しいフォーマットとして広がる可能性がある。オンキヨーは、ハードウェアとソフトウェアの両方を提供できる強みを活かしてサポートしたい」(同氏)。
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