ソニーは4月7日、ハイレゾ対応ウォークマン「NW-A16/A17」の本体ソフトウェアアップデートを開始した。今年1月22日に予告した「LDAC」対応が実現する。
LDACは、Bluetoothのオーディオ用プロファイル「A2DP」の標準コーデック「SBC」よりも最大で約3倍の情報量を伝送できる独自開発のコーデック。最大96kHz/24bitまでの音源をそのまま符号化して伝送する(192kHz/24bitは96kHz/24bitにダウンコンバート)。もちろん、本来は4.5Mbps相当(96kHz/24bit)のデータを最大990kbpsに圧縮するため、音声情報の劣化は避けられないものの(非可逆圧縮)、Bluetoothの最大1Mbpsという規格をほぼ最大限に利用して音質向上を図ったコーデックだ。
LDACを利用できるのは、対応機器同士を接続した場合に限られる。再生機側の対応モデルは、同社のワイヤレスヘッドフォン「MDR-1ABT」のほか、ポータブルスピーカー「SRS-X55/X33」など。
新しいシステムソフトウェアのバージョンは「1.10」。アップデート方法は、「x-アプリ」や「Media Go」といったアプリケーションを使う方法に加え、手作業でも行える。今回は手持ちのMacBook Airで直接「NW-A10_V1_10.dmg」をダウンロードし、付属のUSBケーブルを介して「NW-A16」をアップデートした。なお、Windows PCで行う場合は「NW-A10_V1_10.exe」ファイルとなる。
アップデートすると、設定メニューの「ワイヤレス再生品質」が「接続優先」「標準」「音質優先」「マニュアル選択」に拡大。さらにマニュアル選択を選ぶと「LDAC(音質優先)」「LDAC(標準)」「LDAC(接続優先)」が登場した。これは、LDAC転送レートの990kbps、660kbps、330kbpsに該当する。なお、音質面の違いについては「MDR-1ABT」のレビューを参照していただきたい。
「マニュアル選択」メニューでは、ほかにも「aptX」や「SBC(音質優先)」などが明示的に選択できるようになった。Bluetoothヘッドフォンでワイヤレス視聴をしたい音質志向のユーザーには見逃せないアップデートといえそうだ。
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