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» 2015年12月22日 16時15分 公開

早くて上手い!――カメラを獲得してレベルが上がった「ルンバ980」の掃除っぷり(3/3 ページ)

[芹澤隆徳,ITmedia]
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 従来のルンバは、直進してどこかにぶつかると方向転換するというパターンを繰り返すため、人間には予想しにくい動きだった。しかし「ルンバ980」は近くのスペースを塗りつぶすように動いた後、部屋の隅を掃除して、次の場所に移動する。その行動はおおよそ予想の範囲内で、例えば「あそこ、まだ掃除していないな……」と思っていると、しばらくしてルンバがちゃんとカバーしてくれる。カメラを搭載したルンバは、形は違っても人間と同じ光景を見て、同じような判断をしているような気になってくる。

部屋の隅にゴミ(重曹)をまいて「ルンバ980」を観察してみた。一度、近くを通りかかったが、このときは隅の手前で方向転換。もう1度来ることを期待して待っていると……
お見事。サイドブラシを有効に使って部屋の隅まですっきり掃除してくれた

 ただし、ルンバ980はカメラに頼り切ってはいない。車輪の動きを検知する「エンコーダー」や床面に向けられた「フロアトラッキングセンサー」「ジャイロセンサー」など多くのセンサーが情報を補完することで、カメラが役に立たない暗い場所や、あるいは猫が上に乗ってカメラを塞いでしまっても掃除を続けることができる。カメラという有用なセンサーを搭載しながら、それに頼り切らないのは、ロボットメーカーならではのリスク管理だろうか。

 「ルンバ980」は、状況の変化にも柔軟に対応できる。例えば「カーペットブースト」という機能はルンバの駆動輪に負荷がかかって床がカーペットであると判断すると、自動的にモーターの回転数を上げ、吸引力をアップするというもの。また、ゴミの多い場所があると「ダートディテクトモード」が働き、モップを動かすようにルンバが前後してゴミを吸い込んでいく。基本的に1パスになったからといって、すべての場所を1回しか通らないわけではないのだ。

 そのほか細かい部分で気づいたのは、排気が上向きに変わったこと。従来のルンバは、本体から真横に排気していたため、床のゴミを散らしてしまう可能性が指摘されていたが、その心配はなくなった。

もっとも大きな違いは“時間”

 さて、実際に掃除してみて従来機と最も大きな違いが分かった。それは“時間”。同じ場所を掃除したとき、かかる時間が明らかに短い。今回、「ルンバ980」が掃除したのは、前回「ルンバ654」をレビューしたときと同じリビングルーム。「ルンバ654」が20分以上かけて掃除した場所を「ルンバ980」は半分以下の10分程度で掃除した。今回はキッチンの入口にカメラの三脚を設置したので完全に同じ面積ではないが、この段違いの早さには驚いた。たぶん自分で掃除するより早い。

 カメラとvSLAMの採用により、ルンバ980は複数の部屋をまたぐ広い面積の掃除も効率的にこなせるようになった。最大稼働面積は、ルンバ800シリーズの最大25畳に対して112畳(185平方メートル)。今回の試用環境は3LDKで50平方メートルほどの広さなので、ルンバ980の実力は出し切れていないかもしれない。しかし廊下やその先にある部屋を掃除しても30分とかからず、途中で充電することもなく余裕でホームベース(充電器)に戻るルンバを見ると、すごく頼もしく感じる。


 新世代のルンバは、早くて確実、部屋の数があってもうまく掃除をしてくれる進化したロボット掃除機だった。値段は少々お高いが、とくに広い家に住んでいる人は購入や買い換えを検討する価値がありそうだ。

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